[【クロスボーダーM&A】ベトナム投資の基礎知識 [ベトナムマーケット概要](ワールディング)]

(2014/07/09)

ベトナムのホテル業界

 谷口 正俊(株式会社ワールディング 代表取締役社長)
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過剰供給により落ち込む国内不動産業界

 2006年までは、ベトナムでは開発が進んでおらず、それもインフラや空港開発に限られており、一泊500米ドル以上の五ツ星ホテルやAグレードのオフィス・マンションも数少ない状況であった。外国からの投資意欲も低く、ベトナムは、バックパッカーなどの旅行者が訪れる旅行先であり、国際空港も南部のホーチミンシティと北部のハノイにのみ存在するだけであった。観光地にあるSix Senses、Furama、Nam Haiなどのホテルは、富裕層のみを対象としていた。都心には、Accor、Marriott、Starwood and Hiltonなど、外資系の高級ホテルが進出するのみであった。また、ローカルホテルは、国営のSaigon TouristやHanoi Touristが運営するものがほとんどであった。

 2007年にベトナムがWTOに加盟して経済発展の道が開け、一躍時代の寵児となり、2008年前半までは海外からの投資が増加したものの、2008年後半から2009年は過剰なインフレにより海外からのプレーヤーの参入は減少した。

 2010年にはインフレが沈静化したものの、この頃には、VinGroupを筆頭に、HAGL、SSG、Thu Duc House、Vinaconexなどのローカルディベロッパーによって国内不動産が支配されるようになっていた。しかしながら、ローカルディベロッパーによるホテルやヴィラの過剰開発により、2012年ごろから、国内の土地や建物の価格は低下することになった。これを機として、海外企業による直接投資やローカルディベロッパーの買収など、不動産市場に新しい風が吹くことが予想されている。



株式会社ワールディング

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TEL:03-5361-6455

■筆者プロフィール
谷口正俊(たにぐち まさとし)
1973年イタリア・ローマ生まれ。
早稲田大学商学部卒業後、(株)ベネッセコーポレーション入社。
同社退社後、2000年7月「教育を通じてより良い世の中へ」と、教育関連企業(株)ウィル・シードを共同創業、代表取締役副社長就任。大手企業400社の人財育成支援及び、全国の小中学校に新しいタイプの体感型教育プログラムを提供。
同社副社長を退任後、2006年6月、(株)アクティブリッジの設立に参加。
7年に亘るベトナム事業展開の後、2013年3月、(株)ワールディングを設立。
日系企業のベトナム進出支援、ベトナム人材採用・育成事業を展開中。
日本とベトナムを往復する日々を送っている。


 



 

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