[編集長インタビュー]

2015年7月号 249号

(2015/06/15)

地域型産業の『稼ぐ力』を高める経営の新陳代謝 ~迫られる日本のパラダイム転換~

 冨山 和彦(経営共創基盤(IGPI) 代表取締役CEO)
  • A,B,EXコース

冨山和彦(とやま・かずひこ)

<目次>

-- 地方創生の話題が、毎日のようにメディアで取り上げられていますが、本日は、経営共創基盤(IGPI)代表取締役CEOの冨山和彦さんに地方創生とM&Aという切り口でお話いただきたいと思います。まず、地方創生が叫ばれる問題の本質は何か、なぜ今、重要課題とされているのかから、お伺いします。

なぜ地方創生か

地方で急激な人口減少が顕在化

「地方創生というと、東京だけが栄えて、地方が衰退している。何とか救ってやらないといけない。そんな視点でとらえる方が多いかもしれませんが、それは間違いです。この問題の本質は、少子高齢化で日本の人口が急激に減るという点にあります。つまり、地方固有の問題ではなくて、日本全体の共通の問題なわけです。なぜそれが地方の話になるかというと、人口減少が引き起す問題が先行的に地方で顕著になっているからです。そして、その問題は、時間軸にずれはありますが、放っておくといずれ東京もそうなりかねないという深刻な問題です。
  少子高齢化で人口が減ると、経済全体には基本的に縮む力が働きます。つまり、放っておくと市場が縮み所得も減るわけです。すると、生活への不安から結婚する人が減る、結婚年齢が遅くなる、子供を作らなくなるということで、人口減少に拍車がかかって、更なる経済の停滞を招きます。こういう人口減少と経済停滞の負のスパイラルが20~30年のサイクルで起きるわけです。日本全体が、そういう人口構造にある中で、地方の若者の東京への流出が止みません。いわゆる社会減ですが、地方にとっては、老齢者が減らない中で、この社会減によって生産年齢人口がより急激に減り、より深刻な負のスパイラルが先行的に起きているわけです。将来の東京で起きることが、今、地方で起きている。そういう意味で、構造問題の最先端にある地方の創生は、日本の構造問題の解決に繋がる重要課題なのです」

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