2023年1-6月期の日本企業のM&A件数は1933件と、過去最多を記録した2022年1-6月期の2210件から277件、12.5%減少しました(図表1)。1-6月期では、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大した2020年(1820件、12.8%減)以来3年ぶりの減少となります。1933件のマーケット別内訳は、
IN-IN1470件、
IN-OUT317件、
OUT-IN146件で、IN-IN、OUT-INが前年同期からそれぞれ15.5%、15.1%減少しているのに対し、IN-OUTは6.4%増加しており、海外M&Aに回復の兆しが見えています。
2023年1-6月期の金額は7兆9951億円と、前年同期の6兆7039億円から1兆2912億円、19.3%増加しました(図表2)。マーケット別内訳はIN-IN4兆4271億円、IN-OUT2兆9853億円、OUT-IN5827億円で、IN-INは前年同期比2.1倍、IN-OUTは40.9%増加、OUT-IN は76.6%の減少となりました。金額トップは、日本産業パートナーズ(JIP、東京)を中心とするコンソーシアムによる東芝の買収(1兆9987億円)、2位は産業革新投資機構(JIC、東京)によるJSRの買収(9039億円)で、いずれもIN-INです。国内投資ファンドによる投資案件が上位に入りました。3位はIN-OUT案件で、アステラス製薬によるバイオ医薬品企業の米アイベリック・バイオの買収(8006億円)です。アステラスのM&Aで過去最高額となるディールであり、日本の製造業による大型案件は健在です。
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