[編集部から]

2022年9月号 335号

(2022/08/09)

次号予告と編集後記(2022年9月号)

次号予告

2022年10月号
特集:地政学リスクとM&A
2022年9月9日 マールオンライン上のリリース 
2022年9月15日 発売予定 
※内容は変更されることがあります。タイトルは仮題です。

編集後記

■今月の「マーケットを読む」では、低迷を続けるIN-OUTに触れています。「昨年からの原材料・資源高に加え、ウクライナ危機、急激な円安進行、世界経済の減速懸念の高まりなど、海外M&Aにとってマイナス要素が重なっている」としつつも、「多くの日本企業が少子高齢化による国内市場の縮小を背景に、グローバル経営に舵を切っている。リーマンショック後と同様の勢いを取り戻し、IN-OUT件数、金額ともに回復力を示せるか」と期待をにじませています。筆者も同感ですが、IN-OUTの月次件数は、6月53件(前年同月比3.9%増)、7月50件(同8.6%増)と前年同月比プラスが続いており、そろそろtake-offしつつあるのではないでしょうか。ちなみに、企業業績を見てみると、22年3月期は、円安や資源高が直撃した電力、ゼネコンなど一部の業種が苦戦を強いられましたが、総じて言えば円安がプラスに働き、最高益を更新する会社が続出するなど、絶好調といっても過言ではありません。円安=輸出型企業にプラスとばかり思いがちですが、例えば、総合商社の場合は、過去にM&Aで手に入れた鉱山や石油開発の権益が決算を押し上げました。製造業や内需型企業もこれまでのIN-OUTのM&Aでグローバル企業に成長した結果、その投資の果実を手に入れることになりました。あくまで参考値ですが、2000年以降21年間のIN-OUT金額の合計は130兆円、加重平均為替レートは105円です。ですからこれは一過性のものではありません。海外で稼いだお金を再投資するとすれば、やはり日本より成長性の高い海外(IN-OUT)でしょう。投資家も黙ってはいないはずです。各国の入国制限の緩和・解除が一つの契機になるかもしれません。(朱鷺)

■最古の飼い猫の記録が更新されたそうです。これまでは約5000年前の古代エジプトでしたが、約9500年前の猫の埋葬跡がキプロス島で発見されたとか。ネズミなどを捕食する猫は、餌のいらない駆除係としてうってつけだったのでしょう。やがて猫にも餌が与えられますが、「ねこまんま」のように人間の食べ物でした。
世界初のキャットフードはアメリカで1876年に発売された缶詰です。高額だったため普及したのは袋入りドライフードになってから。第二次世界大戦時、米国で金属不足のため、缶のいらない乾物フードが主流になると、人間の朝食用シリアルの成形技術を応用した大量生産が可能となり、お手頃価格になったからでした。
ペットフードの主原料といえば穀物。ウクライナ侵攻の影響を受け、我が家の猫のフードも約10%値上がりし、今後の更なる値上げや品不足が心配です。
そこで改めてキャットフードについて調べていたら「ジビエペットフード」を見つけました。国内で駆除された鹿やイノシシの肉を原料としたフードで、深刻化する野生動物の食害や駆除個体の廃棄問題の解決にもなると、行政も交付金などで支援しています。安くはありませんが、トレーサビリティが導入されて安全性が高いものもあり、駆除された命を無駄にしないためにも、購入を検討しています。ジビエペットフードを知るきっかけが、侵攻による穀物サプライチェーンの混乱でなければなお良かったのですが。(本)

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