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[産業構造の変化に対応するM&Aの実務]

2013年10月号 228号

(2013/09/15)

第16回 石油業界のM&Aにおける財務DDのポイント

 中川 寛将(アーンストアンドヤング・トランザクション・アドバイザリー・サービス ディレクター 公認会計士)

  石油業界は、わが国の第一次エネルギーの約40%を供給する産業ですが、原油相場の乱高下、少子高齢化、環境意識の高まりに対応した省エネ技術の向上、太陽光発電やシェールガス等の新エネルギー源の発掘・起用により国内の石油燃料市場の縮小は必至であり、サービスステーションの経営難も深刻となっています。このような状況から、開発技術を持つ人員の獲得、スケールメリットを生かした競争力強化や過剰な精製設備、余剰なサービスステーションの統廃合による合理化等を目的とした業界内再編のニーズは高まると考えられます。そこで、石油企業をM&A対象とする場合の財務DDのポイントは何かご説明します。

1. 石油業界のM&Aの動向

  石油企業は一般的に、油田の開発権の獲得、原油の探鉱、開発、生産を実施する上流事業と原油の輸送、石油製品の精製、備蓄、販売を実施する下流事業に区分されます。海外では、上流から下流までを一貫して行うメジャーズと呼ばれる大手石油会社が存在しますが、わが国では、原油の輸入、精製及び石油製品を販売を主とし、下流事業に属する「石油元売会社」といわれる企業が多数となっています。(図表1参照) 

<図表1>

  わが国では、石油元売会社が多数存在していたことから、特に1996年の規制緩和(石油製品の輸入自由化等)以降、激しい競争環境に対応するために実施された統合が多く見られます。1999年の日本石油と三菱石油の合併を契機に石油元売会社の統合が進み、現在では、「JX日鉱日石グループ」、「エクソンモービルグループ」、「コスモ石油」、「昭和シェル石油」、「出光興産」の5グループを中心とする形態に集約されています。また、石油元売会社の統合、省エネ意識の高まり、価格競争の激化により厳しい経営環境にさらされており、サービスステーションの統廃合も進んでいます。(図表2参照)

<図表2>1996年以降の日本企業による石油業界の主なM&A
 

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