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[【小説】グローバル経営改革 ~ある経営企画部次長の悩み深き日々]

2020年3月号 305号

(2020/02/17)

【小説】グローバル経営改革 ~ある経営企画部次長の悩み深き日々(第9回)

第2章「本社組織の改革編」 第3話「事業本部から見た本社」

伊藤 爵宏(デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 シニアマネジャー)

【登場人物】

サクラ電機株式会社 本社 経営企画部 部長
堀越 一郎
サクラ電機株式会社 本社 経営企画部 次長
木村 遼太
サクラ電機株式会社 本社 経営企画部 スタッフ
山本 朝子
(前回までのあらすじ)

 サクラ電機 本社経営企画部の次長である木村 遼太は、事業への権限委譲が進む一方で肥大化を続ける本社部門の改革を進めることになった。
 本社部門の現状を整理した木村は、その問題点を明らかにするため、本社に対する意見を事業本部へヒアリングすることにした。
 これは、あるコーポレートの経営企画部次長が、様々なコーポレートアジェンダに携わり、そして経営と現場の間で葛藤しながら、自社におけるグローバル経営の在り方を模索するストーリーである。



並べられた議事録

 本社のオフィスで書類を眺めていた木村の視界が突如真っ暗になった。部屋の照明が消えたようだ。
 「もうそんな時間か…」
 サクラ電機では、働き方改革の一環で、夜22時を回るとオフィスが自動的に消灯されるようになっていた。木村は仕方なく席を立ち、照明のスイッチを付けた。
 再び明るくなった本社のオフィスは、既に木村以外の従業員は仕事を終えて帰宅し、誰もおらずにがらんとしている。そんな部屋の様子を眺めながら座席に戻った木村の目の前には、いくつかの書類が並べられていた。
 その書類は、今日まで行っていた、事業本部の本社部門に対する意見をまとめた議事録だった。部下の山本がつい先ほどまでまとめていたもので、事業本部の数だけある。木村は、これらを見比べながら、本社部門のスリム化に向けた課題を見出そうとしていた。
 「改めて読んでみると、思ったより色々な意見が出たな…」
 オフィスには自分しかおらず、誰も聞いていないため、木村は、感想を声に出してつぶやいた。本社部門に対する課題意識が多く聞けたのであれば、それだけ本社部門に改革の必要性を突きつけることができるので喜ばしいことであるはずだが、木村の声は、決して明るいものではなかった。
 というのも、ヒアリングの結果は、そう単純なものではなかったからだ。木村は、自らが事業本部に所属していた頃の経験から、本社の「支援」という名の「口出し」や「指示」を削減してほしいという声が大勢を占めるのではないかと予想していた。もちろん、そのような声があったことも事実だが、それ以上に様々な意見が挙がった。
 木村は、ふっと息を吐いて気合を入れてから、膨大な議事録を改めて精読し、それぞれの事業本部へのヒアリングを振り返ってみることにした。

それぞれの事業の立場

 最初にヒアリングを行ったのは、木村がかつて所属していた事業本部であった。
 この事業本部で聞かれた意見は、以下のようなものだった。

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