[Webインタビュー]

(2020/11/17)

【第122回】【堤智章代表取締役が語る】キーストーン・パートナースがSBIホールディングスと資本業務提携を結んだ目的

――2年後をめどに東京証券取引所への新規株式公開を目指す

堤 智章(キーストーン・パートナース代表取締役)
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資本業務提携を結んだ経緯

―― まず、SBIホールディングス(HD)と資本業務提携を結ぶことになった経緯についてお聞かせください。

「SBIHDの副社長の髙村正人氏が私と同じ三和銀行出身で、ある人を介してご紹介いただいたのがきっかけでした。今年の4月に髙村氏にお会いした時にSBIHDの北尾吉孝CEOが考えておられる地方銀行の連合構想を伺って、我々が今まさに業務として進めている地方創生、中堅中小企業の再生成長支援、またそれに伴う事業承継案件とのシナジー効果が高いという思いを強くしました。これを機に、お互い地方創生で協力し合えるのではないかというお誘いがあったものですから、当社から8月に提携を提案し、9月に北尾CEOと面談して、10月1日に正式に契約を取り交わしました」

―― 金額は非公表になっていますが、SBIHDがキーストーン・パートナース(KSP)の発行済み株式の33.4%を取得して持ち分法適用会社化し、さらにKSPが現在組成している『日本リバイバルスポンサーファンド4号』ファンドにもLPとして100億円投資するという内容ですね。4号ファンドの調達完了についてはいつ頃を考えていますか。

「2020年内のクローズを目指しています。ファンドの規模については、新型コロナの影響もあって、投資を当面凍結される金融機関も出てきていることから320~30億円でクローズすると見ています」

―― KSPの運用ファンドは、プライベートデットファンドですが、プライベートエクイティ(PE)ファンドとの違いについて説明していただけますか。

「PEファンドはエクイティ投資のファンドで、投資運用の対象が株式に限定されています。バイアウトファンドがその典型です。一方、プライベートデットファンドはデットに主眼を置いて投資をしていますので、基本的にはローン債権の投資ということになります。我々の場合は、株式を担保にしたシェアファイナンスを通じて、一部エクイティを運用対象としている投資もあります。スキームとしては、例えば我々が20年5月に投資した手芸専門店展開の藤久の場合、投資事業有限責任組合というファンドの下に持株会社があります。その下にそれぞれの投資にSPCとしてビークルを持っていて、藤久に投資しています。

 4号ファンドについてはすでに投資を始めていまして、今申し上げた藤久などを中心に数社、100億円程度を投資し、30億円を回収しています」

SBIグループとのシナジー

―― SBIHDとの資本業務提携によって、相互にどのようなシナジーを期待しておられますか。...


■つつみ・ともあき
同志社大学経済学部卒業、一橋大学大学院国際企業戦略研究科金融戦略コース(MBA)修了。三和銀行(現三菱UFJ銀行)入行。本店営業部、事業調査部、ニューヨーク支店等を経た後、投資銀行部門での幅広い実績を積み上げる。 三菱東京UFJ銀行に統合後、PE業務と投資銀行業務の連携ビジネスモデルを構築。中堅企業の事業承継用ファンドを立上げる。2007年よりCSKホールディングス執行役員としてCSKグループのバイアウトファンド事業を担当。09年5月キーストーン・パートナースを設立し代表取締役に就任。

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