[Webインタビュー]

(2022/11/18)

【第149回】「中小M&A研究センター」を基軸に、研究・教育・実務家交流を活性化する

忽那 憲治(M&A研究教育センター長 (神戸大学大学院経営学研究科 教授))
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2022年4月、日本M&Aセンターホールディングスの寄付により、神戸大学の経営学研究科の中に「中小M&A研究教育センター」(通称MAREC)が設立され、この10月より活動を本格的に開始した。中小M&A研究教育センター長に就任した忽那憲治教授に設立趣旨や取り組みの狙いを聞いた。
設立経緯と活動方針

―― 中小M&A研究センターの設置の経緯や狙いを教えてください。

「日本M&Aセンターホールディングスの三宅卓社長とは25年以上にわたる知り合いです。日ごろからM&Aのあり方等について意見交換をする機会があり、22年4月、神戸大学に『中小M&A研究教育センター』を設立するに至りました。

 まず、一番大きな問題が、中小企業において、後継者がいない黒字企業が約60万社あるという事実です。これは、国としての大きな政策課題でもあります。黒字でありながら後継者がおらずその存続が危ぶまれている企業に対して、第三者事業承継としてM&Aを活用することも含めて早急に対応する必要があります。

 もう1つは、中小企業の収益力の低下や本業で儲ける力の弱まりです。この点について、今後10~20年にわたり持続的な成長が達成できるかという視点で調査・分析すると、かなり厳しい未来が待ち受けていることが分かります。何十年も事業展開をする中でビジネスモデルが陳腐化するのは、ビジネスのサイクル上仕方のないことなのですが、中小企業であっても、成熟から衰退するまでの間に、次の新しい事業を同時並行で育てていく必要があります。

 一方、大学がこのような論点についての研究・教育がしっかりとできているかという面では、非常に弱いのが事実です。問題解決のためには、実務界に限らず、教育・研究を行う大学の役割が重要になります。

 そこで、神戸大学と日本M&Aセンターにおいて包括的な連携協定を9月27日に締結し、新しい若手教員も採用し、M&Aの関連講義も開始することになりました」

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