好調続く日本の即席麺市場 ~朝ドラ効果も後押し 日本の即席麺市場は順調に拡大を続けている。日本即席食品工業協会によると、2018年の即席麺総生産量は57.7万食と前年(56.6万食)と比べて1.1億食増加し4年連続の拡大となった(図表1)。生産量の約7割を占めるカップ麺が前年比2.5%増と好調に推移する中、低迷が続いていた袋麺も前年比1%とプラスに転じた。
昨年10月から放映されたNHKの朝ドラ「まんぷく」の効果も大きかったようだ。日清食品の創業者である安藤百福氏が失敗を繰り返しながらインスタントラーメン(チキンラーメン)を開発する姿を描いたもので21.4%という高視聴率となった。誕生60周年となるチキンラーメンは「まんぷく」効果も手伝い、2018年度は史上最高売上を記録した。筆者もドラマを見て思わずチキンラーメンを購入した一人である。
図表1 日本の即席麺生産量の推移
世界の即席麺市場は頭打ち傾向に ~中国など即席麺大国の需要減大きい 「まんぷく」効果で好調さを維持する日本とは裏腹に、世界の即席麺市場はここ数年頭打ち傾向にある。即席麺の世界総需要は2012年に1千億食の大台に乗ったものの、2015年と2016年は2年連続で大台割れとなった(図表2)。
即席麺の一人当たり消費量(17年)とその変化率(14~17年)を国別に比較したのが図表3だ。特に…
■藤原 裕之(ふじわら ひろゆき)
略歴:
弘前大学人文学部経済学科卒。国際投信委託株式会社(現 三菱UFJ国際投信株式会社)、ベリング・ポイント株式会社、PwCアドバイザリー株式会社を経て、2008年10月より一般社団法人 日本リサーチ総合研究所 主任研究員。専門は、リスクマネジメント、企業金融、消費分析、等。日本リアルオプション学会所属。
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