[藤原裕之の金融・経済レポート]

(2018/07/11)

ゾゾスーツが示すアパレル市場の未来 ~ 進むファッションの個人化

藤原 裕之((一社)日本リサーチ総合研究所 主任研究員)
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ゾゾスーツはアパレル市場を変えるか

  低迷状況が続く国内アパレル業界の中で、気を吐いているのがZOZOTOWN(ゾゾタウン)を運営するスタートトゥデイである。ご存知の通りゾゾタウンは衣料品を対象としたマーケットプレイス型のプラットフォームである。ゾゾタウンに出品するブランド企業からの手数料が主な収益源である。ゾゾタウンはマーケットプレイスとして非常に集客力が高いため、ブランド側は高い手数料を払ってでも出店する。現在6,800以上のブランドがゾゾタウンに出品している。

  そうした中で昨今話題になっているのが昨年11月に発表された身体計測スーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」である(図表1)。同社の前澤社長はゾゾスーツについて「世界中で服のサイズに悩んでいる人たちを笑顔にしたい」と熱く語っている。ゾゾスーツは低迷する国内アパレル市場の救世主となりうるのだろうか。

  図表1  ゾゾスーツ

     


トレンド市場業界の商社となるゾゾタウン

  ゾゾスーツについて考える前にアパレル系プラットフォームのゾゾタウンがなぜこれほどの急成長を遂げてきたか整理しておこう。

  ゾゾタウンがここまで伸びてきたのはアパレル市場、特に中間価格帯のトレンド市場の構造変化が関係している。ローランドベルガー社によると…


■藤原 裕之(ふじわら ひろゆき)

略歴:
弘前大学人文学部経済学科卒。国際投信委託株式会社(現 三菱UFJ国際投信株式会社)、ベリング・ポイント株式会社、PwCアドバイザリー株式会社を経て、2008年10月より一般社団法人 日本リサーチ総合研究所 主任研究員。専門は、リスクマネジメント、企業金融、消費分析、等。日本リアルオプション学会所属。

※詳しい経歴・実績はこちら
※お問い合わせ先:hiroyuki.fujiwara@research-soken.or.jp

 

 



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