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(2022/08/17)

三井住友トラスト・ホールディングス:外資と提携、「貯蓄から投資へ」時代の担い手目指す

マール企業価値研究グループ
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 2022年7月7日、三井住友トラスト・ホールディングス(以下、三井住友トラストHD)は、米国の大手投資ファンドであるアポロ・グローバル・マネジメント(以下、アポロ)との業務提携を発表した。具体的には、三井住友トラストHDの傘下にある三井住友信託銀行(以下、三井住友信託)がアポロのファンドに15億ドル(約2000億円)出資、両者で協力して日本市場向けの商品開発を進めるとのことだ。実際には、この15億ドルに加え、既に出資を約束している投資家の出資分と合わせて50億ドル超となる。三井住友トラストHDは政策保有株式(22年3月末で1.2兆円)を積極的に削減しており、それによって得た自己資金を資産運用・管理ビジネスの拡大に投じる戦略を明確にしている。これによって手数料収入を増加させ、ROE の上昇に結びつけようとしている。

 三井住友トラストHDが発表したリリースによると、アポロはオルタナティブ資産(代替可能資産で、株式、債券といった伝統的な金融商品とは別に、未上場株式や原油、貴金属などの商品、不動産などの資産を指す)などの運用で世界トップクラスであり、運用資産残高は5128億ドル(22年3月末)。今回、三井住友信託は、アポロが運用するPE(プライベート・エクイティ)、不動産、インフラ事業などのファンドに出資することで運用ノウハウを蓄積、国内向けに多種多様な金融商品の開発を目指すとしている。 通常、オルタナティブ投資は最低投資額が10億円程度と大口で、投資家は大手金融機関や年金基金、保険会社などの機関投資家に限られていたが、最近では欧米系の運用会社を中心に、最低投資金額を数百万円に引き下げて個人投資家の運用ニーズにも対応する動きが活発化している。三井住友トラストHDも今回の案件に限らず、資産運用業務の拡大を重要視しており、3年前にはスイスのUBSグループと国内の富裕層向けウェルスマネジメント事業に特化した新会社設立に動いている。…

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