東京商工会議所は、事業承継のさまざまな課題に対応した具体的な対策を国や東京都へ要望するために「中小企業の円滑な事業承継の実現に向けた意見」をとりまとめ、2020年8月19日に公表した。
主な要望事項として以下の5項目が挙げられている。
(1)事業承継の早期着手の実現
事業承継の早期対策の重要性に対する「気づき」を促す取り組みの促進として、国における株式評価算定の補助制度の創設や現経営者の年齢だけではなく、後継者の年齢を考慮した事業承継の実現などが挙げられている。
(2)抜本拡充された事業承継税制の利用促進(親族内承継)
事業承継税制の認知度向上に加え、贈与税・相続税の納税が猶予される「特例承継計画」の提出期限の延長、事業承継税制の期限延長といった制度の改善などが求められている。
承継の際に前経営者と後継者から二重で債務保証を求めることを原則として禁じるなど、「事業承継時に焦点を当てた『経営者保証に関するガイドライン』の特則」は経営者保証の引継ぎ問題を解決する一助になりえることから、中小企業のみならず、支援機関、金融機関など広く周知を図るよう求めているほか、本特則についての継続的な運用状況のモニタリング調査の実施なども要望している。
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