[M&Aトピックス]

(2022/02/02)

政府が「経済安全保障推進法案」法案概要を提示~2月下旬にも国会提出、段階的施行へ

 政府はこのほど、経済安全保障推進法案(経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案<仮称>)の概要をまとめた。今通常国会に法案を提出し、2022年2月下旬の閣議決定を目指す。

 法案は、「重要物資の安定的な供給の確保」「基幹インフラ役務の安定的な提供の確保」「先端的な重要技術の開発支援」「特許出願の非公開」の4本が柱。

 基幹インフラ役務の安定的な提供の確保については、電気・ガス、石油、電気通信、放送、金融、鉄道、航空・空港など安全保障戦略上重要な対象分野を法律と政令で指定する。対象事業者は、重要設備の導入・維持管理などについて、事前届出をしてもらう。勧告に応じない場合には当該企業に罰則など一定の措置を科す。

 特許出願の非公開化は、国家の安全を損なう恐れが大きい発明については、特許出願を国(内閣府)に提出し、内閣府への送付後は特許の公開をせず、審査の間、国にて一定期間保全をするとの構想。機微技術の公開や海外流出を防止するのが目的だ。他方で、発明の不許可により損失を受けた者に対しては、損失を補償する枠組みも整えることで、特許法上の権利を受けられるようにする。

 企業活動に制約を課されかねない経済界は慎重な姿勢を示している。関西経済連合会(松本正義会長)は2月1日、政府提言に対して、「体系的な枠組みが打ち出されたことを歓迎」するとしつつ、「引き続き産業界・企業と丁寧なコミュニケーションを図っていただくよう求めたい」とのコメントを公表した。

■経済安全保障法制に関する提言(経済安全保障法制に関する有識者会議)

■経済安全保障法制に関する提言についてのコメント(関西経済連合会)

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