[視点]

2012年12月号 218号

(2012/11/15)

実証分析から見たアジア・太平洋諸国におけるクロスボーダーM&Aの特徴

 鈴木 一功 (早稲田大学大学院 ファイナンス研究科 教授)
  • A,B,EXコース

1.はじめに
日本企業による海外企業に対するM&Aが、空前の活況を呈している。レコフデータ社の集計によると、2012年1月~9月の日本企業によるクロスボーダーM&A(IN-OUT M&A)件数と公表取引金額は、それぞれ364件、約5兆円となっている。10月になって発表された、ソフトバンクによる米国スプリント・ネクステルの買収額が1兆5000億円とされていることを考えると、2012年通年でのクロスボーダーM&A取引額は、前年(2011年)の6兆2700億を上回り、過去最大である2006年の8兆6000億円に次ぐ史上第2位の金額が視野に入る勢いである(注1)。トムソン・ロイター社のWorldwide  M&Aデータで見ると、世界的にはM&A市場の金額ベースでの規模が前年比15%程度減少して推移しており(注2)、必ずしも活発とはいえない。買い手としての日本企業の存在感は、世界的に高まっているといえる。

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