[視点]

2021年12月号 326号

(2021/11/10)

近時のIR・コーポレートガバナンスの動きによる企業経営への影響

岩田 宜子(ジェイ・ユーラス・アイアール 代表取締役)
  • A,B,EXコース
1. はじめに~何が起きているのか

 本年6月に、第2回目のコーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)の改訂が行われた。スチュワードシップ・コードも2回の改訂が行われたので、両コード、改訂回数は同じとなった。両コードの改訂で目立つ変化は、「サステナビリティ」という言葉が頻繁に登場することと言えるだろう。また、CGコードにおいては、プライム市場に上場する企業への要請も含まれた。
 さて、サステナビリティという言葉は、もともとCSR関連で使われていた経緯があるため、その言葉自体が、資本市場を律するコードにおいて語られるということに、驚いた資本市場関係者は少なくなかったのではないだろうか。
 企業経営者にとっても、資本市場の中で語られることが多いコーポレートガバナンスという概念の中で、サステナビリティが取り入れられたことに戸惑っているようだ。どちらかというと企業経営、経営戦略、また、法務コンプライアンスの関連でコーポレートガバナンスを語っていた人たちにとっても、サステナビリティを重要視するというのは、予想されたとはいえ、そのような時代がこんなに早く来るとは、と当惑したことであろう。
 本稿では、そのような動きと、プライム市場上場に関すること、この2つに関わる企業の動きと、今後を予想するにあたってどこに注目するべき視点があるか述べたい。

2. 一連の動きにたいしての企業経営への示唆

 筆者自身にとっても、今回のCGコードの改訂でのサステナビリティの位置づけは驚きであり、これをどう資本市場との関わりや企業経営にとってポジティブな影響を導くものとするにはどうしたらよいものか正直悩んだ。その結果が、この図である。
 まず、

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