総合商社5社の2021年4~6月期連結決算は、鉄鉱石や銅などの“資源高”を追い風に、三菱商事を除く4社が四半期ベースで最高益となった。中でも、伊藤忠商事の純利益は2675億円と前年同期の2.6倍で5社中首位、通期予算5500億円に対する進捗率も49%となった。
この業績に同社の鉢村剛・副社長CFOは、「21~23年度の中期経営計画で目標とする連結純利益6000億円を超える状況」との考えを示したが、この中期経営計画で基本方針に掲げているのが「マーケットインの発想」による事業変革と「SDGs」への貢献と取組強化だ。
ここで注目されるのが2019年7月に新設された「第8カンパニー」の存在である。
伊藤忠は1997年から「ディビジョン・カンパニー制」を敷いてきた。繊維、機械、金属、エネルギー・化学品、食料、住生活(生活資材・物流部門と建設・不動産部門)、情報・金融の7つの業種・商品を軸としたカンパニーがそれだ。ここに「第8カンパニー」が加わった。既存の7カンパニーと協働し、特に生活消費分野に強みを持つ伊藤忠の様々なビジネス基盤を最大限活用しながら、異業種融合・カンパニー横断の取り組みを加速させ、市場や消費者ニーズに対応した「マーケットインの発想」による新たなビジネスの創出・客先開拓を行っている。...