[M&Aの現場から]

2017年9月号 275号

(2017/08/15)

【Acuris(アキュリス)】 グローバル金融メディア「Mergermarket(マージャーマーケット)」がグループ名を変更

 水田 麻衣(Mergermarket部門アジアパシフィック・日本エディター)
 畑 規恵(Dealreporter部門東京支局長)
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左から畑 規恵氏、水田 麻衣氏  『Mergermarket(マージャーマーケット)』など、企業の金融ニュースと分析を専門とするグローバルメディア企業である“Mergermarket Group”は、2017年7月グループ名を「Acuris (アキュリス)」に変更し、新たなスタートを切った。

  Acurisとは――「Acumen 洞察力、見識」、「Curation 収集、整理」、「Insight 洞察、物事の本質を見抜くこと」の合成語。

  同グループは、1999年にロンドンで戦略的M&A情報サイトとして設立されたのが始まり。英国のFinancial Newsにいた30代の営業マンとシニア・エディター及びシュローダー出身の投資銀行マンの3人がロンドンのドット・コム専門のプライベート・エクイティ・ファンド(New Media Spark)他数人の投資家から800万ドル(約9億円)の出資を受けてMBOで立ち上げた。

  その後、2006年8月、世界最大の出版社でフィナンシャル・タイムズのオーナーである英国のピアソンplcがマージャーマーケットを約2億ドルで買収。8年後の14年1月にピアソンは6億2400万ドルでロンドンのプライベート・エクイティ・ファンドであるBCパートナーズに当時のマージャーマーケットの営業利益の15倍で売却した。なおBCパートナーズは、17年6月にシンガポールのソブリン・ウェルス・ファンドであるGICに30%の持株を売却している。

  AcurisはM&Aに積極的で、ここ数年を見ても14年6月にPerfect Information (ロンドン)、15年9月 AVCJ (Asian Venture Capital Journal :香港)、17年5月にはTIM Group(ロンドン)を買収して事業の拡大を図ってきた。『Mergermarket』が必ずしもグループの代名詞でなくなりつつあることから 新しいブランドでグループの再構築を図ことになった。

  「Acurisは、ロンドン、ニューヨーク、香港の3つの本部をはじめ支局など世界中に拠点を張り巡らせています。日本に支局を設立したのは05年9月です。同時に香港、ムンバイ、上海支局が設立されました。創業当初はヨーロッパが中心でしたが、02年に米国に進出し、軌道に乗ってきたところで、いよいよアジアに展開をということで日本への進出を決断しました」と語るのは、畑規恵・Dealreporter部門東京支局長。

  畑氏は・・・

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