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[Webインタビュー]

(2020/02/07)

【第114回】東京海上担当者に聞く-国内M&A保険(表明保証保険)の仕組みと狙い

宗次 勇介 (東京海上日動火災保険株式会社 企業商品業務部 次長 兼 責任保険グループ 課長)
永野 智也 (同 責任保険グループ 課長代理)
東京海上日動火災保険 M&Aチームの皆様 (中央)土屋 嘉寛 企業商品業務部 部長

東京海上日動火災保険 M&Aチームの皆様 (中央)土屋 嘉寛 企業商品業務部 部長

 東京海上日動火災保険株式会社(以下、「東京海上」)は、2020年1月に『国内M&A保険(表明保証保険)』の販売開始を発表した。これまで日本企業が表明保証保険を利用する場面は、ほとんどクロスボーダーM&Aでの利用に限られていたと思われるが、同社が新たに開発した『国内M&A保険』は、国内企業同士のM&Aを対象とした表明保証保険である。新商品の開発責任者に販売開始の背景、目的そして仕組みを聞いた。

表明保証保険の取扱いの歩み

―― 最初に、お二人がどのような業務を担当しているかを教えてください。

永野 「我々は今、企業商品業務部というところに所属しています。法人向けの保険商品を開発している部門です。その中で宗次と私の所属する責任保険グループは、M&A保険を含む賠償責任保険や様々なスペシャルティ保険の開発を担当しています」

宗次 「責任保険グループは、賠償責任に係る保険全般を扱っています」

―― 何人ぐらいの部署ですか。

宗次 「責任保険グループで40名くらいです」

永野 「企業商品業務部全体では180名くらいです」

宗次 「責任保険グループが担当する保険の中で一般的に知られているのはPL保険(生産物賠償責任保険)や役員向けの保険であるD&O保険(会社役員賠償責任保険)等です。表明保証保険はこれらに近い種類の保険ということで、2016年よりクロスボーダーM&A向けの商品を取り扱ってきました。この表明保証保険の取扱いは、東京海上が行ったM&Aがきっかけになっています。2015年に東京海上は米国のスペシャルティ保険会社であるHCC Insurance Holdings, Inc. (Tokio Marine HCC)を買収しました。彼らが得意な商品を日本にも展開するというのが買収目的の一つであり、翌2016年からクロスボーダーM&A向けの表明保証保険の取扱いを開始しました」


―― とすると、東京海上が実行したクロスボーダーM&Aの、まさにシナジー効果の一つになるわけですね。

宗次 「そうです。他にもHCCが扱っていた商品で日本に展開されたものがあります。表明保証保険はあくまでその中の一つです」

『国内M&A保険』立ち上げの背景・目的

―― 貴社の表明保証保険の取扱いの歩みがよくわかりました。さて、今回の新商品のお話をさせてください。2020年1月7日にプレスリリースが出されて、またその少し前の年末に日本経済新聞で今回の新商品の記事が掲載されました。概要を簡単に教えてください。

永野 「名称は『国内M&A保険』としていますが、いわゆる表明保証保険です。売主・買主の間で株式譲渡契約(以下、「SPA」)が締結されますが、その中に表明保証条項があります。その表明保証条項に違反があると売主は買主に対してその違反によって生じた損害を払わなければなりません。その表明保証違反による損害を補償する商品が表明保証保険です。先ほど申し上げたように、2016年からクロスボーダーM&A向けの表明保証保険のみ取り扱っていました。今回はそれを国内企業同士のM&A向けに新たに開発しました」

―― プレスリリースや新聞記事の反応はいかがでしたか。

宗次 「リリース直後から想定以上の大きな反響がありました」

永野 「日本経済新聞に大きく扱っていただいたこともあって、特に専門家の方々からのご照会を頂いております。また地方銀行を含む銀行のご担当者からも照会があります」

宗次 「事業会社のM&A担当部署からの照会も我々が思っている以上に多くあり、各方面から直接のお問い合わせが毎日のようにあります」

―― 潜在的なニーズがたくさんあるということですね。それとも関係しますが、今回なぜこの商品を開発されたのか、目的・背景を教えてください。

永野 「先ほどお話しましたが、これまで東京海上でも他の保険会社でも基本的にはクロスボーダーM&A向けを中心に、比較的ディール金額の大きな案件のみを対象としてきました。一方で、中小企業の事業承継などのM&Aが増えてきており、そのようなケースでも活用できる商品の開発オーダーを以前から頂いていました。今回、国内企業同士、またこれまでよりも比較的ディール金額の小さな規模の案件にも対応できるような商品を作りました」

―― 想定されているのはどのような顧客でしょうか。

永野 「もちろん上場企業も含まれますが、それ以外に地方の中小企業のオーナー企業のお客様も、事業承継という文脈ではM&Aの有力なプレーヤーとなってきていますので、…

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