[Webインタビュー]

(2015/03/18)

【第51回】【ベアリング・プライベート・エクイティ・アジア】39億8800万米ドルの6号ファンドをクロージング。その対日投資戦略とは?

 丸岡 正(マネージング ダイレクター)
 シェーン プリディーク(マネージング ダイレクター)
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投資のコンセプト

―― ベアリング・プライベート・エクイティ・アジア(以下「ベアリング・アジア」)は2月にプライベート・エクイティ(PE)ファンド「ベアリング・アジア・プライベート・エクイティ・ファンドVI(以下「6号ファンド」)」をクロージングしました。ベアリング・アジアとしては過去最大となる39億8800万米ドルのファンドになりますね。

プリディーク「6号ファンドは2014年のローンチ後、4カ月足らずでファーストクローズ(33億ドル)に達しまして、ハードキャップ(絶対上限)でクローズし、大幅な応募超過となりました。北米の年金基金、アジア・中東の政府系ファンド、基金、ファンド・オブ・ファンズを含む世界中の機関投資家から資金拠出確約をいただいています」

―― 投資のコンセプトは?

プリディーク「当社は1997年の設立で、本社がある香港のほか、上海、北京、ムンバイ、シンガポール、ジャカルタ、東京の7つの事務所を構えていまして、110人を上回る従業員を擁しています。これまでに72社に投資を行い、その投資総額は110億米ドルに上ります。当社のファンド運営の基本は、業務の改善、業界の統合および国境を越えた拡大を通じてアジアでの成長を後押しするため、経営陣や起業家と連携するというもので、広範なセクターにわたって、アジア企業のみならず、アジアでの成長計画を掲げた欧州や北米の企業もターゲットとしています。過去の実績では、40%が中国、30%がインド、残りが日本と東南アジアという配分になっています。しかし、今回の6号ファンドについては、今後さらなる経済成長が見込まれる東南アジアへの投資が、これまでよりは多くなる可能性はあります。

 投資先の業種については基本的に特定していません。業種に関わらず、成長戦略を支援するというのが1つの大きなテーマです。また、投資はマジョリティ出資とは限っていません。特にインドや中国では、マジョリティ出資の案件がないわけではありませんが、これまでの実績ではマイノリティ出資が多いです。その意味では日本とは違います。日本の場合はこれまで投資した6件はすべてマジョリティを取っています」

―― インドや中国でマイノリティ案件が多いという背景には法的な規制があるということですか。

プリディーク「法的な制約というより、どちらかというと、成長資金を求めている創業者が多く、そうした創業者を応援するためにマイノリティで出資するというケースが多くなっているためだと思います」


 

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