[産業構造の変化に対応するM&Aの実務]

2014年3月号 233号

(2014/02/15)

第21回 2014年のM&Aの新たな潮流

 島田 英海(EYトランザクション・アドバイザリー・サービス ディレクター)
  • A,B,EXコース

  日本のM&A関係者にとって、年末年始は駆け込み需要で多忙を極めた方も多いと思います。アベノミクスの効果で金融緩和の下で株価上昇が見込まれる中、M&A市場は明るい材料が見えています。2014年のM&A市場は国内M&Aの小型化と海外M&Aのグローバル化の二極化が鮮明となり、M&A市場の裾野が確実に広がっています。M&Aアドバイザーは、2014年の新たな潮流を見極めて、国内M&A市場のニーズへの対応とグローバル市場の競争力確保のため、その機能を強化していく節目の年になると思います。

1.2014年のメインシナリオ

  2014年の日本経済のメインシナリオとしては、緩やかな経済成長のシナリオを前提にしています。株価は金融危機前の水準に回復し、為替は円安基調が定着すれば、自動車産業をはじめとする輸出産業の業績は好調に推移するものと想定しています。市場金利は日銀の金融緩和政策により低金利が継続し、インフレ目標の2%に緩やかに近づいていくものと見込んでいます。エネルギー不足から生ずる貿易収支は改善し、日本のGDP成長率は引き続き低成長を維持していく前提で、2014年のM&A市場を占ってみたいと思います。

2.2014年のM&A

  明るい材料が見られる経済環境下において、2014年のM&Aはどのように予想されるでしょうか。
  株価の上昇と金利の安定による経済ファンダメンタルズの改善はM&A活性化のプラス材料となり、投資マインドの改善から出口案件の増加が期待されます。

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