[M&Aスクランブル]

(2020/09/30)

なぜ、M&Aマッチングプラットフォーム事業を始めるのか

M&Aマッチングプラットフォーム 「MARR MATCHING(マールマッチング)」始動

 レコフデータは、9月30日付リリースの通り、10月1日付でM&Aマッチングプラットフォーム「MARR MATCHING(マールマッチング)」事業を開始いたします。

 本稿では、なぜレコフデータがM&Aマッチングプラットフォーム事業を始めるかについて、これまでの事業の歩みという視点に絞ってお伝えしたいと思います。

なぜMARR MATCHING(マールマッチング)を始めるのか

 レコフデータは、わが国のM&Aのインフラとしての役割を担ってきました。

 レコフデータの事業の源流は、1987年に創業した日本初の独立系M&Aブティック、レコフが構築したM&Aデータベースにあります。レコフM&Aデータベースは、1985年以降に日本で公表されたM&Aデータを収載しており、経済財政白書、中小企業白書などの官公庁統計、日本経済新聞等の主要メディアで幅広く用いられています。

 近年、M&A市場は大きく成長しました。既にM&Aは多くの経営者に有効な手法として認知され、一般社会においても日本経済の活性化や成長のために必要であるとの理解が進んでいます。事実、昨年1年間のM&A公表件数は4,088件と過去最多を記録しています。さて、それでは、1985年のM&A件数は何件だったかご存じでしょうか。

 答えはたったの260件です。今では本当に信じられないほどの少ない件数です。今から35年前は、M&A案件が公表されるのは、1日に1件もありませんでした。また、1980年代、90年代においては、多くの経営者や社会の認知は、M&Aは「乗っ取り」であり、M&Aが真に理解されているとは言えない時期でした。

 レコフデータ(前身を含む。以下同じ)は、このようなM&A草創期から、M&Aが日本企業そして日本経済の活性化に必要であるという認識を持ち、レコフM&Aデータベースを作り続けています。

 レコフM&Aデータベースは、証券取引所の規則に基づく適時開示資料のみならず、各種メディアの報道までをカバーしています。M&Aの知識と経験のある専門スタッフが作成しており、お客様よりその信頼性・網羅性について高い評価を受けています。もちろんその裏では、多くの苦労があります。現在のように1営業日ベースでは平均17件弱、9月や3月の特定の集中日だとその数倍の公表案件があり、かなりの時間と労力をかけてデータベースを構築しています。単に件数だけを集計するのであれば簡単ですが、様々な専門的な視点で集計できるよう多数の項目について集計しています。統計インフラという性質から強い継続性と即日性が求められており、レコフデータは、M&A市場の発展と日本経済の活性化を理念として、30年以上も地道にデータベースを構築してきました。

 1995年には、日本で唯一のM&A専門月刊誌「MARR(マール)」が創刊されました。この頃になれば、M&A件数も大きく増えているだろうと思われるかもしれませんが、年間件数は531件です。90年代であっても日本のM&A件数は経済規模(名目GDP500兆円強で残念ながら現在と大きく相違はありません)と比較して少ない時代でした。M&Aのノウハウもまだ十分に普及しておらず、書籍もほとんど無い状態です。弁護士、公認会計士の先生も含めて、M&A専門家がまさに手探りで海外のM&Aからも学びながら、知識・ノウハウを蓄積していった時期です。案件をやりながら学ぶか、経験した人から直接教わることしか、学ぶ方法がなかったのです。案件開発についても、「乗っ取り」というお叱りを受けることがあっても、企業戦略として有効である点を真摯に経営者と議論しながら行っていました。

 レコフデータは、そのような時期から、M&A専門家の意見を聞き、記事を執筆してもらい、専門家のネットワークを構築してきました。またM&Aデータを第三者が利用できるようにすることで、M&Aの理解を深めることを推進してきました。MARRの記事を見てM&Aを学び、実例を知り、有力な専門家のリストを作成してアドバイスを依頼するなどMARRはM&Aの共有財産として活用されています。

 M&A市場は、決して一直線で成長したわけではなく、成長したのは本当にごく最近です。レコフデータは、M&Aの草創期からM&Aを調査し、統計を積み上げ、M&Aの知識・ノウハウを有するネットワークを構築するというインフラの役割を担ってきました。

 直近では、M&A市場が拡大し、当事者は上場企業から未上場企業へ、大企業から中堅・中小企業へと広がっています。経済産業省・中小企業庁は2019年12月、M&Aで10年間・60万者の第三者承継を目指し、「第三者承継支援総合パッケージ」を発表しました。これは、従来の親族内承継や従業員への承継から「第三者承継(M&A)」に軸を移した画期的な政策転換といえます。

 M&Aが経済のみならず社会的な課題の解決策となる時代に移っています。中小企業の経営者にとっては、M&Aはまだまだハードルが高いものになっています。事業承継、第三者承継には多くの心理的な不安があるでしょう。

 レコフデータにできることがあるのではないか、中小企業の経営者と日々対峙していたM&A担当者が中心となってこの新事業「MARR MATCHING(マールマッチング)」プロジェクトを立ち上げました。

 レコフデータは最先端のIT企業でも、ユニコーンを目指す若いベンチャー企業でもありません。これまでM&Aのインフラの担い手として、長い間培った経験・ネットワーク・M&Aノウハウを活用し、我々にしかできないやり方で、中小企業そして経営者をサポートしていきます。

今後の展開について

 現在、10月1日の事業開始に向けて鋭意準備中であり、まもなくWebサイトを公開する予定です。多くの皆様にぜひご利用いただきたいと考えております。
事業についてのお問合せは、下記の連絡先にお願いいたします。

 今回の件にご興味を持ってくださった全ての皆様に対し、感謝申し上げます。




【MARR MATCHING(マールマッチング)に関するお問い合わせ先】
株式会社レコフデータ
press@marr-match.jp
担当:池ヶ谷、酒井

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