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[M&A戦略と法務]

2016年1月号 255号

(2015/12/15)

経営者報酬制度の改革とM&Aに与える影響

 髙原 達広(TMI総合法律事務所 弁護士)

一 はじめに

  平成27年3月に公表された「コーポレートガバナンス・コード(原案)」及びそれを受けて株式会社東京証券取引所が平成27年6月1日に公表した「コーポレートガバナンス・コード」は、「経営陣の報酬については、中長期的な会社の業績や潜在的リスクを反映させ、健全な企業家精神の発揮に資するようなインセンティブ付けを行うべきである。」(原則4-2)とし、また、「経営陣の報酬は、持続的な成長に向けた健全なインセンティブの一つとして機能するよう、中長期的な業績と連動する報酬の割合や、現金報酬と自社株報酬との割合を適切に設定すべきである。」(補充原則4-2①)としている。

  従前より、経営者への適正なインセンティブ付与と管理のために、業績連動報酬や株式報酬の重要性が議論されているが、コーポレートガバナンス・コードの原則・補充原則にその点が明記されたことを受けて、今後、さらに多くの上場企業で報酬制度のあり方に関する議論が進展すると想定される。こうした議論の進展は経営者報酬制度の多様化を促進し、買主としてM&Aを検討する企業(以下「買収主体」という)にとっては、買収のターゲットとなる企業(以下「買収対象」という)の分析やM&A後の買収対象の管理の実務に少なからず影響を与えると思われる。

  そこで、本稿では、経営者報酬制度の変化の動きを概観するとともに、M&Aにおける留意点を概観したい。

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