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[マールレポート ~企業ケーススタディ~]

2019年7月号 297号

(2019/06/17)

【富士通コンポーネント】ロングリーチグループ担当者が語る「2段階買付け」ストラクチャーと成長戦略

富士通の経営改革の一環として

右から津田 敬太郎 (ロングリーチグループ プリンシパル)、脇田 俊輔 (同ディレクター)
右から津田 敬太郎 (ロングリーチグループ プリンシパル)、脇田 俊輔 (同ディレクター)
 独立系PEファンドのロングリーチグループ(以下、ロングリーチ)が運用する投資ファンド傘下にある投資主体が保有する特別目的会社「FCホールディングス合同会社」(以下、「公開買付者」)は、東証2部上場の富士通コンポーネントの「一般株主持分を対象としたTOB」と「親会社持分を対象とした自社株買い」を組み合わせた「2段階買付け」を実施し、2019年1月同社を買収した。(18年11月に上場廃止)

 富士通コンポーネントは、TOB実施前は富士通が76.6%を所有しており、リレー*等の電磁部品、コネクタ等の接続部品及びタッチパネル・キーボード等の入出力部品並びにその他電気応用機器の製造販売を主な事業内容としている。売上高は上場廃止前の18年3月期の連結決算で494億円、営業利益は6億2800万円だった。

*電気信号によって電気回路の開閉を行う装置。

 富士通コンポーネントのPEファンドへの売却は、「テクノロジーソリューション事業に集中して事業を伸ばしていく」という親会社・富士通の経営改革の一環として行われた。

 15年に富士通の社長に就任した田中達也氏は、就任1年目に「営業利益率10%」「海外売上比率50%」という経営目標を掲げて経営改革に取り組んでおり、テクノロジーソニューション事業で22年度に営業利益率10%を目指すとの数値目標を掲げている(下図参照)。

 「海外売上比率50%」という経営目標こそ撤回せざるを得なくなったが、17年以降、グループ改革の動きは加速しており、国内のインターネット接続の草分けともいえるニフティを17年4月に家電量販のノジマに売却。同年11月にはカーエレクトロニクス事業をデンソー、さらに18年3月携帯端末事業をポラリス・キャピタル・グループ、5月にはパソコン事業を中国のレノボ・グループに譲渡した。そして、今回の富士通コンポーネントの資本再編と立て続けにノンコア事業の売却を進めてきた。


なぜ富士通は公開買付けで売却しなかったのか

 ロングリーチグループは、日本における戦略的プライベート・エクイティ投資を目的としたファンドであり、投資主体となるファンド並びに東京拠点のファンド運用会社「株式会社ロングリーチグループ」及び香港拠点の「ロングリーチグループ・リミテッド」により構成されている。また、直近で設定を完了した3号ファンドを含めて過去3つのファンドを運営してきており、合計で20億ドルの資産運用実績を有している。ロングリーチグループは、Wendy’s First Kitchenや珈琲館、プリモ・ジャパン等の外食・コンシューマー関連事業、NOCアウトソーシング&コンサルティング等のビジネスサービス事業、及びビアメカニクス(旧日立ビアメカニクス)等の製造業の領域において、日本の大企業のカーブアウト案件に対する豊富な投資実績を持っている。

 このロングリーチによる今回の富士通コンポーネントのM&Aの特徴は、何といってもその「2段階買付け」というストラクチャーにある。

 公開買付者は、

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