[マールレポート ~企業ケーススタディ~]

2013年6月号 224号

(2013/05/15)

eコマース事業に参入したリクルートHDの勝算

  • A,B,EXコース

「じゃらん×ホットペッパーポイント」会員の声をもとに

牛田圭一(リクルートライフスタイル 執行役員)    リクルートホールディングス(HD)は2013年3月15日、衣料品や家電、食料品などの小売店が出店するショッピングモール型のインターネット商店街「ポンパレモール」を立ち上げ、eコマース事業に新規参入した。

   リクルートは株式上場を予定しているが、これに先立って体制変更を行い、12年10月1日付で「リクルートHD」へ社名変更、約100社の国内外グループ会社を7社の事業会社及び事業会社を支援する3社の機能会社へ組織変更した。新たに立ち上げたeコマースサイト「ポンパレモール」の運営はリクルートHDの子会社で、日常消費領域を担っているリクルートライフスタイルが行っている。同社は飲食、美容、旅行、学び、ファッション雑貨などの物販等の各領域について、情報誌やインターネット、携帯端末等を活用して、商品・サービスを提供する企業とユーザーをマッチングさせるサービスを提供することを目的としており、「クーポン券」を社会に浸透させたクーポンマガジン「ホットペッパー」、旅行専門雑誌「じゃらん」などを発行するほか、1999年にスタートさせた妊娠・出産・育児に関するアパレル&グッズの通販サイト「赤すぐnet」、宿泊予約サイト「じゃらんnet」など、ネット通販ビジネスにも取り組んできた。

ポンパレモールのサイト画面  「ポンパレモールは約450店舗でスタートしました。毎月約100店舗のペースで増えていくのではないかと見ています」と語るのは、運営責任者であるリクルートライフスタイルECビジネス推進室の牛田圭一・執行役員。構想自体は、楽天などがネット上のショッピングモール運営に乗り出した十数年前から議論されてきたが、実際にビジネスの検討をし始めて具体化するまでには1年半くらいの時間をかけたと言う。

  「たとえば『じゃらんnet』は、年間約4000億円の取り扱い額があります。利用者にはポイントが2%付与されていますので、それだけでも80億円相当のポイントが世の中に出ていっています、そのポイントを使って、食べ物を買いたい、服を買いたいというユーザーさんがいっぱいいらっしゃいます。こうした、ポイントを物販の商品に使いたいというお客様に対してより利用頻度の高い日常生活系のサービスを提供し、会員の満足度を上げることを考えた結果がポンパレモールの開設でした」と、牛田氏。

   事実、同社が事前に行った「じゃらん×ホットペッパーポイント」会員への調査では、9割弱の会員がポイントをネット通販に利用したいと考えていると回答したという。

   「仮想モール型にしたのは、当社も自前のeコマース事業を持っていますが、数多くの商材を集めようとすると、自社だけでやるのは限界があります。仮想モールにすることで多様な商品数の提供ができるという結論に至ったわけです。それに、3~4年前であれば出店者も既存の仮想モールでどんどん売り上げを伸ばしていた状況なので、新規のモールに参画しようという気持ちにはなかなかなれなかったかもしれません。その意味でサイト開設のタイミングも良かったと思います」と牛田氏。

この記事は、Aコース会員、Bコース会員、EXコース会員限定です

マールオンライン会員の方はログインして下さい。ご登録がまだの方は会員登録して下さい。

バックナンバー

おすすめ記事

アクセスランキング