[マールレポート ~企業ケーススタディ~]

2013年11月号 229号

(2013/10/15)

Part2 関戸 明夫――台湾出身の起業家と組んでM&Aを展開するベンチャーキャピタリスト

  • A,B,EXコース

2つの顔を持つ男

関戸 明夫 氏   関戸明夫氏には2つの顔がある。日本でプライベート・エクイティ(PE)投資を行っている「グローバルBPO」の社長という顔と、ベンチャー起業家を支援するインキュベーター、ベンチャーキャピタリストとしての顔である。

  関戸氏は、1948年東京生まれ。72年に早稲田大学を卒業後、東京海上火災保険(現東京海上日動火災保険)に入社。78年に米マサチューセッツ工科大学(MIT)のビジネススクール、スローン・スクール・オブ・マネジメントにフルブライト留学してMBAを取得。その後、米証券会社への出向などを経験した後、83年同社を辞めて三協工業の社長に就任した。

  「このまま大組織の中でサラリーマンとして生きるという選択もありましたが、若いうちに自分の力で思いきり仕事にぶつかってみるということも必要だと思ったのです」と関戸氏。

  三協工業は義父が経営していた会社で、さく井・水源施設、上下水道施設、水処理施設、水族館施設、脱臭・排ガス処理施設などを手掛けていた。関戸氏は社長に就任すると、自身が留学をした経験があったということもあって外国人留学生を積極的に採用したり、就職希望者に井戸掘りを体験させたりとユニークな経営を行い、マスコミでも取り上げられたことがある。事業も順調に拡大した。そんな関戸氏に2回目の転機が来る。「従業員200人、年間売上高200億円ぐらいの規模になった95年に、MIT時代のクラスメートから『日本法人を立ち上げたいと考えているのだが、手伝ってくれないか』と誘いを受けたのです」と、関戸氏。起業家魂に火をつけられた関戸氏は、三協工業の社長の椅子を義弟の高橋和靖氏に譲り、新たな事業へのチャレンジを決断した。

  

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