[編集部から]

2018年10月号 288号

(2018/09/18)

次号予告と編集後記(2018年10月号)

次号予告

2018年11月号
特集:「実務者が語るグローバルM&AにおけるPMIの実際」
2018年10月15日発売予定 
※内容は変更されることがあります。タイトルは仮題です。

編集後記

■事業承継M&Aのニーズが増し、様々なM&Aプレイヤーが参入して競争が激しくなっています。地方銀行や信用金庫もこれまでは提携しているM&Aアドバイザリー会社に案件を紹介するだけということが多かったのですが、日銀の超低金利政策の環境下で融資業務では思ったように収益が得られない中、手数料ビジネス拡充の代表格であるM&Aアドバイザリー業務をより積極的に自社で手掛けるようになってきました。しかし、いくら地元とは言え、“子供”と同じと言われる会社を事業承継M&A(売却)する際のアドバイザー選定に勝ち残るのは容易ではありません。M&Aを含む経営全般の相談に真摯に対応することは勿論ですが、オーナー経営者からの信頼獲得がもっと大事です。ある信用金庫の営業マンいわく。「毎年、カレンダーや手帳を配っていますが、カレンダーも一枚の大きなポスター状のものと日めくり式のものがあり、間違うと大変なんです(苦笑)。手帳も毎年ご利用頂いているので、ご希望の冊数を確保するのに必死です(笑)」と信頼確保への努力には涙ぐましいものがあります。また、地域密着の地方銀行の営業マンいわく。「70代、80代のオーナー社長がいらっしゃって、ご家族や社内に後継者がいなければどう考えても他社への事業承継M&Aしか解決策はないと思うのですが、ロータリークラブ等での経営者同士の付き合いは深く、地元の名士とされる社長に対して当行側から会社売却という話は口にできません」と深い悩みを打ち明けます。地元プレイヤーには地元なりの様々な苦闘があるようです。(風)

■1999年に平成の大合併第1号となった兵庫県篠山市が、市の名称を「丹波篠山市」に変更する方針を発表しました。2004年、近隣に「丹波市」が誕生したことから「丹波篠山」ブランドを地域活性化の柱としてきた同市にとっては「篠山」だけではアピール力に欠ける、ということのようです。
新制中学校の設置等の事務処理効率化を目的とした「昭和の大合併」はトップダウンで合理的な色が濃く、市町村名についても国語審議会から、難しい漢字や読みを避け「できるだけわかりやすく読みちがいの起こらない」ものに定めるようにとの建議が提出された時代。地名の由来や馴染み深さ等は問題ではなく、「丹波篠山」のように今より長くなる上に近隣と類似する名称は望ましくないとされた可能性もあります。今回の改名の意思表明は自主的な合併を推進した平成ならではの出来事かもしれません。
M&Aでも改称が発生します。旧社名を生かす場合や全く新しい社名をつける場合がありますが、いずれの場合にもそのM&Aによって叶えたい企業の姿や想いが込められているはずです。日程や金額、スキームだけでなく新社名の由来にも目を向けてみてはいかがでしょうか。(本)

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