[視点]

2006年7月号 141号

(2006/06/15)

公開買付規制の改正――潜脱防止策のあり方

長島・大野・常松法律事務所 弁護士 井上 広樹
  • A,B,EXコース


【一・三分の一ルール】

 公開買付規制の改正を含む証券取引法の改正案が本年の通常国会に提出されている。今回の改正には、近時の買収防衛に関する議論を踏まえた改正等に加えて、いわゆる「三分の一ルール」の潜脱を防止するための規定が盛り込まれている。
 「三分の一ルール」とは、買付け後の議決権比率が三分の一を超える結果となる上場株式等の市場外の買付けについて売主の人数にかかわらず公開買付けを強制するルールである。公開買付けは、時間と費用を要するのみならず、競合ビッドの機会を生み出すことになる。多くの株主から株式を買い集めるのではなく、単に三分の一を超えるブロックの株式を特定の売主から取得しようとする者にとっては、公開買付規制は負担でしかない。

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