[M&Aの現場から]

2006年8月号 142号

(2006/07/15)

バイアウト、ベンチャーの二つのファンドでライフサイクルに合わせた事業成長を支援する

東京海上キャピタル 社長 深沢 英昭
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  東京海上キャピタルが設立されたのは1991年。設立当初はベンチャー投資を行ってきたが、90年代後半からいち早くバイアウト投資への取り組みも開始し、現在はバイアウト投資とベンチャー投資の2つの投資分野を手掛けている。
 具体的には、バイアウト投資とベンチャー投資の双方を行う「TMCAP98」ファンドを98年に設立したのに続いて、2000年には「TMCAP2000」ファンドを設立して、大企業からのMBOによる事業独立案件や企業再生案件、業界再編を狙ったロールアップ型案件などさまざまな投資を実施してきている。
 さらに05年には、こうした投資実績をふまえてバイアウト投資専用ファンド「TMCAP2005」とベンチャー投資専用ファンド「TM Innovation2005」を相次いで設立した。
 同社でバイアウトを担当しているのは、深沢英昭社長を含めて9人、ベンチャー投資などを担当しているプロフェッショナルは4人である。
 深沢氏は1956年3月15日静岡県熱海市生まれ。78年東京大学経済学部を卒業して日本長期信用銀行(現新生銀行)に入行。マーチャントバンキンググループで草創期のM&Aアドバイザリー業務に従事、90年代には事業リストラ専担部門、中堅企業営業部門で事業リストラを通じた債権回収極大化、ターンアラウンドマネジメントを推進。99年旧日本興業銀行に転じ、みずほ証券の投資銀行グループ営業企画部長。04年4月から東京海上キャピタルのマネージングパートナー、同年6月取締役、05年6月社長に就任した。
 深沢氏は同社の特徴をこう語る。
 「1つは、会社や経営者と対峙するというよりは事業パートナーとして経営を支援するスタンスを取っていること。2つ目は、バイアウトファンドとベンチャーファンドの2つを持って、企業・事業のライフサイクルのさまざまなフェーズに対処できること。そして3つ目の特徴は日本におけるバイアウト投資の先駆者の一社として、以上のような特徴を活かした実績を上げていることです。」
 この深沢氏とともにバイアウトを担当しているのが佐々木康二氏。1962年8月愛媛県松山市生まれ。85年九州大学法学部を卒業、旧日本長期信用銀行に入行。法律室を経てマーチャントバン
 

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