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[M&A戦略と法務]

2009年1月号 171号

(2008/12/15)

M&A手法の選択にあたっての取締役の経営判断裁量権の逸脱を認定した東京高裁の判断

TMI総合法律事務所弁護士 髙原 達広
第一はじめに
旧商法改正、会社法の制定を通じた一連の組織再編に関する法改正を経て、M&A手法にも多様性が見られるようになっている。例えば、既に発行された株式の移動を実現する場合でも、株式譲受、株式交換、その組み合わせ、株式管理事業としての会社分割等、その手法は様々である。この手法の選択とも関連するが、近時、上場会社が三分の二以上の議決権を有する傘下の非上場会社を完全子会社化するにあたり、株式譲受を選択した事案で、対価とされた金額の相当性に疑問を呈する株主から代表訴訟が提起された事案(本件)がある。
東京地方裁判所の判決(平成一八年(ワ)第二二一五六号損害賠償請求事件(平成一九年一二月四日判決言渡))及び東京高等裁判所の判決(平成二〇年(ネ)第二二六号損害賠償請求控訴事件(平成二〇年一〇月二九日判決言渡))が、本件についての判断だが、前者は取締役の責任を否定したのに対し、後者は取締役の責任を認めている(注1)。
これは、株式会社アパマンショップホールディングス株式会社(ASH)が、非上場会社のアパマンショップマンスリー株式会社(ASM)を完全子会社化する際に、特定の株主一社(A社)を除く全ての株主約二〇名から一株当たり五万円でASMの株式を買取ったことに関し、ASHの代表取締役社長を含む取締役らに善管注意義務違反及び忠実義務違反があったとして、ASHの株主が損害賠償を求めた事案である。
両裁判所が示した判断はM&A取引における取締役の経営判断のあり方に少なからぬ影響を及ぼすと思われる。そこで、以下、本件の概要とともに、両裁判所の判断の概略を説明する。なお、本稿脱稿時において確認可能なASHのプレスリリース(平成二〇年一〇月三〇日付)によれば、取締役らが上告を検討していたとのことであるが、上告の有無については、公表資料からは確認できていない。

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