[M&A戦略と会計・税務・財務]

2010年7月号 189号

(2010/06/15)

第37回 外国子会社合算税制(いわゆるタックスヘイブン対策税制)に係る改正とM&Aに与える影響

税理士法人プライスウォーターハウスクーパース シニアマネージャー 公認会計士・税理士 山岸 哲也
  • A,B,EXコース
 
1 はじめに
これまで2回にわたりグループ法人税制の導入や清算課税に係る改正等、平成22年度税制改正がM&Aに及ぼす影響を考察してきたが、3回目となる本稿ではもうひとつの目玉改正である外国子会社合算税制(いわゆるタックスヘイブン対策税制)に係る改正の概要を解説し、イン・アウト・ディールを含む海外投資における投資ストラクチャーに及ぼす影響を取り上げる。タックスヘイブン対策税制は平成21年度税制改正および今般の平成22年度税制改正によりますます複雑になったことから、海外投資において投資ストラクチャーを適切に組成し、投資後に思わぬ課税を受けないためにも、本稿で取り上げる税制改正の概要をおさえておくことは重要である。タックスヘイブン対策税制はイン・アウト・ディールもしくは海外投資または海外グループ会社の組織再編等において非常に重要で、かつ、慎重にその課税関係を検討することが求められる税制である。特に、投資後の利益還流や将来の投資からのエグジットに係る税金コストに大きな影響を及ぼす可能性がある。次節以降を見るとお分かり頂けるが、平成22年度税制改正は概ね納税者に配慮がなされた改正となっているものの、これまでになかった新しい概念が多く導入されていることからこれまで以上に慎重にその適用関係を検討すべきと考える。
なお、本稿にわたる内容は私見であり、筆者が所属する団体とは何ら関係がないことを念のため申し添える。

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