[視点]

2020年10月号 312号

(2020/09/15)

With Covid-19時代の取締役会~多様性とサステナビリティ・ガバナンス~

三和 裕美子(明治大学 商学部 教授)
  • A,B,EXコース
はじめに

 新型コロナ・ウィルスの感染者数増加は留まるところを知らず、2020年8月現在においても世界的に拡大し続けている。企業や教育機関などもオンライン対応を余儀なくされ、また外出制限などの影響で経済活動は沈滞し、2020年4月から6月期のGDPは前年同期比27.8%減と戦後最大の落ち込みとなった(注1)。このような中、世界の機関投資家は、配当よりも雇用を優先させることを企業に訴えている(注2)。私たちの多くは、「世界、地球はいままでとは違う時代に突入している」と感じており、SDGsやESG投資、サステナビリティという用語がより広く知られるようになった。企業と消費者、投資家が人類共通の目標に向かっているといえる。そこで本稿では、取締役会の多様性とサステナビリティ・ガバナンスについて考える。

取締役会の多様性

 「ガバナンスは、取締役会(ボード・オブ・ディレクター)から始まり、取締役会で終わる(注3)。」と言われている。下記写真は1950年代から60年代初頭のアメリカ大企業の取締役会の写真である。

図1 伝統的な大企業の取締役会の例
図1 伝統的な大企業の取締役会の例

 この取締役会の特徴は以下の点があげられる。

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