[M&A戦略と会計・税務・財務]

2014年4月号 234号

(2014/03/15)

第82回 中国組織再編税制新通達について

 山下 泰樹(税理士法人プライスウォーターハウスクーパース 事業法人部 マネジャー)
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  中国国家税務総局は、2013年12月12日に非居住者企業の持分譲渡に対する税務処理に関する最新規定、即ち国家税務総局公告「2013」72号(「72号公告」)を公布した。

  72号公告の要旨は次の通りである。

(1)  中国組織再編税制の枠組みの中で処理されるクロスボーダーの持分譲渡取引には、中国国外の親会社レベルで行われる合併や分割による中国子会社の持分譲渡取引が含まれる。 (2)  非居住者企業が持分譲渡取引を実施し、特殊性税務処理(日本税務上の適格組織再編と類似する課税の繰延処理)の適用を選択する場合、承認手続は不要となり、届出(中国語で備案)をすればよいものとする。 (3)  上記特殊性税務処理届出にかかる必要書類や手続の流れの概要 (4)  クロスボーダーの持分譲渡取引につき特殊性税務処理が適用されるパターンの一つであった「非居住者起用からその100%保有の非居住者企業への中国企業持分の譲渡取引(たとえば、日本→香港)」について、特殊性税務処理を選択した場合、持分譲渡取引日より前に譲渡対象中国企業に留保された未処分利益を当該持分譲渡後に配当する場合、中国と配当受領者のいる国又は地域との間で締結されている租税条約・協定の定める優遇措置を享受することはできない(たとえば、配当源泉税5%→10%)。 (5)  当該通達は2013年12月12日から発効する(公表日は12月19日)。 (6)  当該通達発効前に発生した非居住者の持分譲渡取引にかかる特殊性税務処理の手続が完了していない場合、当該通達に従って処理することができる。
  本稿では、上記のうち(1)(5)(6)の要旨を中心に論点の解説を行う。

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