[マールレポート ~企業ケーススタディ~]

2014年9月号 239号

(2014/08/15)

オウケイウェイヴ ―― 新たな成長ステージを目指す兼元謙任社長のM&A、アライアンス戦略

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日本初、日本最大級のQ&Aサイト

兼元謙任社長  オウケイウェイヴは日本初、日本最大級のQ&Aサイト「OKWave」(Q&Aデータベース3000万件以上、登録会員250万人以上)を中核事業とし、そのQ&Aサイトの仕組みを元にした企業向けソリューションの開発・提供を行っている。

「弊社が運営するQ&Aサイトの名称『OKWave』には、『Oshiete(教えて)』、『Kotaeru(答える)』の頭文字をとり、『教えて(質問)』と『答える(回答)』を仲介して、皆様が抱えている疑問や悩み、望みを『OK』な状態にし、それを『Wave(波)』のように世界に広げていくという意味を込めました」と語るのは、兼元謙任(かねもと・かねとう)社長。

  兼元氏が同社を創業したのは1999年。2006年には名古屋証券取引所セントレックスに株式上場を果たし、日本において米マイクロソフトコーポレーションと資本・業務提携(08年)した唯一のオンラインサービス企業としても注目された。

  そのオウケイウェイヴが14年7月に創業15年を迎えた。

「当社の強みは、ポータルサイト運営だけではなく、企業向けのソリューション事業も行っているという、独自のビジネスモデルです。この2つを同時展開している企業は、おそらく当社以外にはないと思います」と語る兼元氏が、創業時から掲げている経営理念は、『“ARIGATO”(ありがとう)で世界をつなぎ幸せで満たす』である。その経営理念には、創業までに兼元氏が味わった苦難の道のりから紡ぎされた兼元氏の思いが込められている。

「死ぬしかない」と思い詰めたことも

  兼元氏は、1966年7月在日韓国人3世として名古屋市に生まれた(現在は帰化)。幼少時代から体が弱く、小児喘息で死にかけたこともある。小学5年生の時には、在日韓国人3世であることを知った同級生からの執拗ないじめにあって入院するほどの重い自律神経失調症になった。さらに6年生になると、筋肉が弛緩するギラン・バレー症候群にかかり、首が座らないために車椅子生活を余儀なくされ、そのために高校まで入退院を繰り返した。治療法もわからず、自分の悩みを相談できる友人もいない。もう死ぬしかないと思い詰めたこともあったという。しかし、筋力がないために自殺も叶わなかった。「死ぬことができないなら生きるしかない」――そう開き直るしかなかった。
 

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