[編集部から]

2020年6月号 308号

(2020/05/19)

次号予告と編集後記(2020年6月号)

次号予告

2020年7月号
特集:コロナショック後を踏まえた事業戦略とM&A
2020年6月15日発売予定 
※内容は変更されることがあります。タイトルは仮題です。

編集後記

■新型コロナウイルス感染拡大を受けて、マスクの製造・販売事業に参入する企業が相次いでいます。マール2018年9月号の特集対談にご登場いただいた日清紡ホールディングスもその1社です。グループ企業でシャツ専業SPA国内大手の東京シャツ(東京)を通じて、紳士用ワイシャツ向けの生地を使ったマスクの一般販売を開始。通販サイトや首都圏の直営店数店舗で月2万枚程度を販売し、今後国内の縫製工場で生産体制を整え、販売数量を増やす方針です。日清紡HDは1907年に高級綿糸の大量生産を担う紡績会社として創業した100年企業です。戦後の生活物資需要に応えて事業の多角化を推進、1960年代~1980年代は日本のモータリゼーションの波に乗りブレーキ事業を拡大、2000年代に入ると情報化社会の到来に備えてエレクトロニクス分野に注力し、近年はM&Aを活用して事業ポートフォリオの組み変えを実践してきました。現在は、エレクトロニクス、ブレーキ、精密機器、化学品、繊維を事業とする「環境・エネルギーカンパニー」グループを目指し、独の車載機器関連メーカー2社を買収するなど、海外M&Aも推進しています。「多様性を尊重」、「果敢な挑戦」などの企業理念のもと、絶えず時代の変化に対応し続ける姿は、今まさに日本企業が見習うべき姿だと感じています。(優)

■新型コロナ感染対策として電車の窓開けへの協力が求められています。かつては乗客が窓の開け閉めをするのは当たり前。夏でも都営地下鉄に乗り入れる路線では電車が地下に入ると冷房が切られ、乗客が窓を開けていたのを私も覚えています。1990年代に、車両の空調が完備されると、車窓の役割の1つである換気機能は不要と判断され、開閉できない固定窓が増えて窓開けの習慣も見られなくなります。しかし立ち往生した電車内で空調がダウンした際に体調不良者が続出。その後改修が行われ、再び開閉窓が増えてきたのだとか。もし車窓の改修がなかったら、今頃大変なことになっていたかもしれません。
「天災は忘れた頃にやってくる」の警句で知られる寺田寅彦は、関東大震災後、過去の文献を調査し、未曾有の災害とはいえ同じようなことは既に昔の人が経験済みで、今の自分たちが「それを忘却してしまって勝手なまねをしていたためにこんなことになったと思う」と記しています。私たちも人類の歴史は感染症との闘いの歴史と言いながら、勝手に感染病に対する意識や対策の優先度合いを下げていたように思います。勝手に無視された車窓の換気機能が見直されたのにならって、忘れられた様々なものを見直す機会にできればと思います。(本)

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