[視点]

2015年6月号 248号

(2015/05/20)

経済戦略、経営戦略としてのM&A

 遠藤 博志(元(公財)財務会計基準機構 代表理事・常務)
  • A,B,EXコース

[要旨]
  経済のグローバル化は更に進むと見られ、M&Aは今や企業の重要な経営戦略となっている。国際競争に劣後しないよう、国としても経済戦略として位置づけ、施策を講ずべきである。

1. 経済のグローバル化の行方

  企業のM&Aは1985年頃より世界的規模で活発化し、クロスボーダーM&Aの比率が高まってきている。
  このような国際資本移動の活発化は、通貨・国際金融制度によるところが大きい。第2次大戦後のブレトンウッズ体制では資本移動が制限され、グローバル化は停滞していたが、1971年のニクソン・ショックによりポスト・ブレトンウッズ体制に移行し、この体制下では資本移動が自由化され、グローバル化が大いに展開する。特に米国がドル高政策に転換する1985年頃から本格化する。
  この経済のグローバル化は米国のリーマン・ショックに端を発する世界的な経済危機によりつまずきを見せ、金融経済の行き過ぎを是正する動きが出てくる。しかし、中国、インド等の新興国の経済が成熟し、世界経済を主導するようになるには、あと20~30年を要し、そのときまで、先進国から新興国等に向けてのグローバル化が続いていくとみられている。

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