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[マールレポート ~企業ケーススタディ~]

2021年8月号 322号

(2021/07/15)

アイ・シグマ・キャピタルの傘下で再成長を図る昭和電工子会社「昭和通商」

日野広隆・アイ・シグマ・キャピタル 取締役 専務執行役員(左)と鷹岡宏治・同、ファンド・事業投資グループ シニアヴァイスプレジデント

日野広隆・アイ・シグマ・キャピタル 取締役 専務執行役員(左)と鷹岡宏治・同、ファンド・事業投資グループ シニアヴァイスプレジデント

昭和電工グループの中核商社

 2021年4月、丸紅系のPEファンド、アイ・シグマ・キャピタルが運営するファンドのSPCが、昭和電工の子会社である専門商社の昭光通商に対してTOBを実施し、株式の55.49%を取得した。(買付代金は約48.3億円)今後のスクイーズアウト手続きを経て、SPCが昭光通商の株式の85.1%を取得し、昭和電工は引き続き14.9%の株式を保有することを予定している。

 昭光通商は、1947年に昭和電工、味の素の支援のもとに「光興業」として設立された昭和電工グループの中核商社。化学品や肥料などの国内販売・輸出入を担い、1962年に東証2部上場、1981年には東証1部に昇格し、1982年に昭光通商に社名変更した。

 2020年12月期の売上高は前期比16.0%減の1007億2600万円、営業利益は39.6%減の12億9700万円と業績が低迷。また、2017年に連結子会社による資金循環取引問題で損失を計上するなど、与信管理を中心とするリスク対応やガバナンス体制の強化が課題とされていた。

 親会社の昭和電工は、2020年4月に日立製作所グループの代表的企業である日立化成(現・昭和電工マテリアルズ)を約9600億円で買収。今後は、昭和電工と昭和電工マテリアルズとの早期統合を目指しており、“統合新会社の長期ビジョン(2021~2030)”も策定した。同ビジョンによると、昭和電工が持つ川中の素材技術、昭和電工マテリアルズの川下のアプリケーション技術、両社の評価・解析技術を融合することで世界トップクラスの機能性化学メーカーを目指すとしている。そのためのポートフォリオマネジメントとして、コア成長事業(エレクトロニクス、モビリティ)、次世代事業(ライフサイエンス)、安定収益事業(カーボン、石油化学、デバイスソリューション、産業ガス、基礎化学品、アルミ圧延品、アルミ缶、コーティング、電子機能材、エネルギー)、基盤事業(セラミックス、機能性化学品、アルミ機能部材)の4つの事業群の競争力を高めて持続的な成長を実現していく方針だ。

 一方で、M&Aによる巨額投資に伴って悪化した財務内容の健全化が必須となっており、4つの事業群への集中投資を行うため、2000億円相当の事業を売却する考えを示した。2021年1月には会社分割によってアルミ缶事業とアルミ圧延品事業を子会社に承継し、米投資ファンドのアポロ・グローバル・マネジメントがこれらの事業を引き継ぐことも発表されている。今回の昭光通商の売却も事業ポートフォリオ再編の一環だ。

 昭光通商を買収したアイ・シグマ・キャピタルは、2000年に丸紅の100%子会社として設立された。これまでに、果汁・野菜汁飲料を製造するゴールドパック、自動車用金属部品を製造する飯野製作所、インターネットセキュリティのバリオセキュア、ぶなしめじの生産を手掛けるミスズライフなど17件のバイアウト投資を行っているが、丸紅と昭和電工は、旧富士銀行の融資企業を中心とした芙蓉グループに属している。

 今回の昭光通商のM&Aを担当したアイ・シグマ・キャピタルの日野広隆取締役専務執行役員と鷹岡宏治シニアヴァイスプレジデントに昭光通商の成長戦略を聞いた。

<インタビュー>
丸紅との連携とロールアップM&Aも視野に成長を図る

 日野 広隆(アイ・シグマ・キャピタル 取締役 専務執行役員 ファンド事業投資グループ長)
 鷹岡 宏治(同、ファンド・事業投資グループ シニアヴァイスプレジデント)

丸紅の子会社として設立されたPEファンド

-- 御社は2000年に丸紅の100%子会社として設立されています。プライベート・エクイティ(PE)ファンドの運営会社としては珍しいですね。

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