[Webインタビュー]

(2019/10/16)

【第111回】日本政策投資銀行時代のM&Aの現場体験から3冊の本は生まれました

山本 貴之(株式会社価値総合研究所 前代表取締役社長)
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平易で実践的なM&A戦略論を提供


―― 山本さんは、日本政策投資銀行(DBJ)で長年、国内外の大中規模のM&Aに関するアドバイザリー業務を統括し、その後、DBJグループの価値総合研究所代表取締役社長を務められたわけですが、この間に『M&Aの「新」潮流』(2016年1月)、『M&Aアドバイザー』(2017年12月)、そして小説『M&A神アドバイザーズ』(19年3月。いずれもエネルギーフォーラム刊)の3冊を立て続けに上梓されましたね。3冊の本を出されたのは、どのような経緯があったのですか。

「1冊目の『M&Aの「新」潮流』を出した時は、私はまだDBJの企業戦略部を担当しておりました。レコフデータのM&Aデータベースを見てもわかる通り、日本でも企業の成長戦略としてM&Aという手法が重要な選択肢として盛んに使われるようになった頃でした。事業環境が激変する中で持続的な成長を図るために業界再編、海外展開、事業承継といったM&Aの潮流を上手く捉えて経営戦略に有効に活用することの重要性が認識される時代になったわけです。そこでM&Aを活用するために経営者に必要な最新の知識と情報を網羅的かつ簡潔に解説しようという狙いで企業戦略部のスタッフと一緒にまとめたものです。

 ただ、現実に行われているM&Aが、実際にどのようなプロセスで流れているのかということは、なかなかテキストではわかりません。そこで、DBJが扱った様々な事例をもとに『海外企業買収』、『事業承継』、『MBO』の各ケースのエッセンスを抜き出して交渉の全過程を追体験することで、企業経営者をはじめ一般の読者も舞台裏からM&Aの真髄に迫ることができる平易で実践的なM&A戦略論を提供しようという目的で書いたのが2冊目の『M&Aアドバイザー』です」

―― その2冊をもとに、さらに小説の形でリアルな登場人物を配しながら疑似体験してもらおうというのが『M&A神アドバイザーズ』ということになりますね。

「2作目は、M&Aを成功に導くメカニズムを、具体的な案件をピックアップしてノンフィクションにして出しのですが、非常に分かりやすいということで意外に反…


■やまもと・たかゆき
東京大学法学部卒、米国ジョージタウン大学法律大学院修士(LLM)。1983年日本開発銀行(現〈株〉日本政策投資銀行)入行。国際統括部長、東海支店長を経て14年日本政策投資銀行執行役員企業戦略部長。国内外の大中規模のM&Aに関するアドバイザリー業務を統括し、日本企業の成長戦略を支援。地域や社会に貢献するM&Aの普及にも尽力。17年〈株〉価値総合研究所代表取締役社長(19年9月退任)。

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