[【全体】M&A入門-M&A戦略立案からPMIまで(PwCアドバイザリー合同会社)]

(2022/04/28)

【第3回】M&A戦略策定 - M&A提案

平井 涼真(PwCアドバイザリー合同会社 アソシエイト)
高橋 正幸(PwCアドバイザリー合同会社 シニアアソシエイト)
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はじめに

 M&A入門連載、第3回のテーマは「M&A提案」です。特に買い手側からM&A検討を打診する、仕掛け型提案に関して解説していきます。

 このステップは、M&A戦略立案のフェーズ(実際のM&A取引が始まる前の、戦略立案の段階。プレM&Aとも呼ばれます)の最後に位置づけられており、選定したM&A候補に対して、実際にM&A提案を実施するステップです。



 残念ながら、かねてから買収対象として興味があった会社から、「うちを買収してほしい」と提案してもらえる夢のような話は、滅多にありません。買い手は、策定したM&A戦略を実現すべく、選定したM&A候補先企業に対して、買収の意図をメッセージとして明確に提案していかなければなりません。買い手が能動的にM&A提案することを、弊社では「仕掛け」と呼んでいます。

 M&A提案のゴールは、売り手および売り手を取り巻くステークホルダーに、「この話は、自分を含め、皆にとってメリットがありそうだ」と認識してもらうことです。傍目には、話し上手な交渉役が売り手をうまく説得する話術が、M&A提案成功の極意だと見えるかもしれませんが、実際に重要なのは、そのような話術ではなく、周到な準備です。今回は、M&A提案について、どのように手抜かりない準備に仕上げていくのかについて考えていきましょう。

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