半導体メモリー大手のキオクシアホールディングス(旧東芝メモリ)が12月18日に東証プライム市場に上場する。この新規株式公開(IPO)において、キオクシアが初めて「承認前提出方式」(以下、S-1方式)を採用したことが話題となっている。上場までの期間短縮が見込まれるS-1方式の活用が今後、本件を機に進んでいく可能性もある。本稿では、S-1方式の導入経緯と概要を報告する。
S-1方式の概要と導入経緯 S-1方式とは、東京証券取引所による上場承認が得られるよりも前の時点から、上場承認が得られることを前提に
有価証券届出書を金融庁に提出し、EDINETにて開示する方法を指す。「S-1」の由来は米国で上場前に提出する書類「Form S-1」であり、2023年10月より日本で導入された。
S-1方式は、2021年9月より日本証券業協会にて開催された「公開価格の設定プロセスのあり方等に関するワーキング・グループ」(以下、本件WG)において導入が検討された。本件WGは、