[M&A戦略と会計・税務・財務]

2022年11月号 337号

(2022/10/12)

第182回 シェアリングエコノミー等新分野の経済活動と課税問題

荒井 優美子(PwC税理士法人 タックス・ディレクター)
  • A,B,EXコース
1. 拡大する新たな経済活動の市場

 「シェアリングエコノミー」とは、モノやサービス、場所などを共有・交換することで生まれる新たな経済活動のことを意味し、十分に活用されていない資産や個人のスキル、隙間の時間などの有効活用を促し、社会全体の生産性向上につながると期待されている(注1)。シェアリングエコノミーという言葉に対して世界的にコンセンサスを得た定義はないが、欧州委員会(European Commission)では、シェアリングエコノミーと類似する概念をCollaborative Economyと称している(注2)。2016年11月に内閣官房IT総合戦略室内に設置された、内閣官房シェアリングエコノミー促進室は、「個人等が保有する活用可能な資産等(スキルや時間等の無形のものを含む。)を、インターネット上のマッチングプラットフォームを介して他の個人等も利用可能とする経済活性化活動」と説明している。

 「シェアリングエコノミーのサービスは、基本的に『プラットフォーマー(シェア事業者)』、『提供者(ホスト)』、『利用者(ゲスト)』の関係で成り立っている。プラットフォーマーは、利用者と提供者のマッチング機能を果たし、レビューシステムや決済機能等を提供している。また、ホストが提供するサービスをゲストが利用し、ゲストはホストに対価を支払う。ゲストの支払う対価の一部は、手数料としてプラットフォーマーが徴収するパターンが多い」(注3)(図表1参照)。


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