[【法務】ESGの新潮流とM&A(大江橋法律事務所)]

(2022/11/09)

【第7回(最終回)】カーボンニュートラルと企業価値~脱炭素化への取組が企業価値向上となる時代に

佐藤 恵二(大江橋法律事務所 弁護士)
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カーボンニュートラルは、ESG(環境・社会・ガバナンス)における最重要トピックの一つである。現在、世界中で加速度的に進むカーボンニュートラルを目指す動きは、過去に何度も「流行」してきた単なる「エコ」、「省エネ」といったトレンドとは全く次元の異なる変革である。日本のみならず世界における産業構造や生活様式の大転換を迫るものであり、今後のM&A戦略を考える上でも必須の視点だといえる。本稿は、この連載の最終回となる。カーボンニュートラルを巡るこれまでの動きを最新のトピックを交えて解説しつつ、カーボンニュートラルの視点から本連載を再度、位置付けたい。
Ⅰ カーボンニュートラルに向けた日本の取組の全体像

(1) 2050カーボンニュートラル宣言とグリーン成長戦略


 2015年に採択されたパリ協定では、開発途上国を含めた全ての国連加盟国で、温室効果ガスの排出削減目標を定め、世界共通の目標として、世界の気温上昇を産業革命前の水準から2℃以内とし、1.5℃以内とするよう努力するとされた。その後、2℃の上昇と1.5℃の上昇とでは生態系等への影響に明確な違いがあるとするIPCC(気候変動に関する政府間パネル)報告があり、現在では、「1.5℃目標」が世界共通の目標と認識されている。
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大江橋法律事務所

■筆者略歴
佐藤 恵二(さとう・けいじ)
弁護士法人大江橋法律事務所 弁護士
2003年早稲田大学第一文学部卒業、2003年~2008年毎日新聞社勤務、2011年早稲田大学大学院法務研究科修了、2019年Duke University School of Law 卒業(LL.M.)、2019年~2020年2019年Wilson Sonsini Goodrich & Rosati (Washington, D.C., San Francisco)勤務。取扱分野は、企業法務全般、M&A、訴訟、保険法等。

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