[マールレポート ~企業ケーススタディ~]

2023年7月号 345号

(2023/06/09)

【宣伝会議グループ】ポラリス・キャピタル・グループの下で描く“脱出版”の成長戦略とは

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木村雄治(きむら・ゆうじ) ポラリス・キャピタル・グループ 代表取締役社長

木村 雄治(きむら・ゆうじ) ポラリス・キャピタル・グループ 代表取締役社長

東京大学教養学部卒業。米国ペンシルバニア大学ウォートン校MBA(1991年)。
2004年にポラリスを創業し、以来CEO兼投資委員長として同社を牽引。『しがらみからの脱却』に焦点を当て、数多くの事業承継案件や大企業からのカーブアウト案件を成功させつつ、ポラリスを業界屈指のPEファームに成長させた。ポラリス創業以前は、日本興業銀行でキャリアをスタートし、約16年間、同行並びにみずほ証券にてコーポレート・ファイナンスや投資銀行業務に従事。とりわけ、みずほ証券では、プライベート・エクイティ部長として、自己勘定投資による未公開株投資を推進。19年9月~21年9月一般社団法人日本プライベート・エクイティ協会会長。20年4月京都大学経営管理大学院客員教授就任。

1954年創業、日本初の広告専門誌を発行

 ポラリス・キャピタル・グループ(以下、「ポラリス」)が運営するポラリス第五号投資事業有限責任組合等が、宣伝会議及び関連会社マスメディアンを2023年3月に買収した。

 宣伝会議は1954年に山之内製薬(現アステラス製薬)の宣伝課長だった久保田孝氏によって設立。日本初の広告専門誌として月刊「宣伝会議」が創刊された。

 しかし、同社は1990年代に入って経営不振に陥り、1993年3月東英弥(あずま・ひでや)氏が宣伝会議の出版事業を引き継いで代表取締役に就任した。

 東氏は1978年に広告会社「伝創社」(当初の社名は伝創舎)を創業。1986年に商社・富士テック(現フジテックス)を設立したほか、東京パブリシティー、日本ビジネス出版、分子生理化学研究所など10社を超える事業を起業したシリアルアントレプレナー。さらに、2012年には事業構想大学院大学(学校法人先端教育機構)、2017年には、社会情報大学院大学(現:社会構想大学院大学)を設立するなど教育分野にも力を入れている。

 宣伝会議は東氏の下で、1994年に「コピーライター養成講座」を開講。2001年には広告業界専門人材サービス「マスメディアン」事業を開始、2010年には広告業界ニュースサイト「AdverTimes.(アドタイ)」も開設した。また、2013年からは月刊「宣伝会議」、月刊「販促会議」、月刊「ブレーン」のデジタル版もスタートさせている。

 宣伝会議及びマスメディアンがどのような経緯でポラリス・キャピタル・グループに譲渡されたのか、今後の成長戦略を含めて木村雄治ポラリス・キャピタル・グループ代表取締役社長に聞いた。
<インタビュー>
デジタル化の推進で“出版の殻を破る”改革を推進

 木村 雄治(ポラリス・キャピタル・グループ 代表取締役社長)

東会長から託された事業承継

―― ポラリス・キャピタル・グループ(以下、「ポラリス」)が運営するポラリス第五号投資事業有限責任組合等は、宣伝会議及びマスメディアンを3月に買収しました。ポラリスが両社の買収を決めた経緯についてお聞かせください。

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