[Webインタビュー]

(2019/07/24)

【第108回】【グロービス・キャピタル・パートナーズ】400億円の6号ファンドで「ユニコーン」支援投資を加速させる!

高宮 慎一(代表パートナー)
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過去最高の400億円ファンド

―― グロービス・キャピタル・パートナーズは、2019年6月28日に6号ファンドの最終募集を総額400億円で完了しました。投資家の旺盛な需要もあって、ファンド総額は当初目標としていた375億円を上回って、過去最高の規模になりました。

「当社がベンチャーキャピタル(VC)事業を開始したのは23年前の1996年で、これまでの運用総額は累計1000億円、投資先は150社超に上ります。

 グロービス・グループはもともと、ヒト(経営大学院の創設と企業内リーダーの育成)、チエ(経営ノウハウの出版・発信)、カネ(ベンチャー企業への投資)という3つのビジネス基盤を構築することで、社会に創造と変革を導くというビジョンのもとに堀義人(グロービス経営大学院学長、グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー)が立ち上げました。3つのビジネスは、具体的には92年に『ヒト』、つまり今のグロービス経営大学院の母体となる教育事業を始めました。そして94年には『チエ』にあたる出版の事業を開始し、そして96年に『カネ』の機能、つまりベンチャー投資を始めました。


  ベンチャー投資については、96年設立の1号ファンド(5億4000万円)、99年設立の2号ファンド(200億円)、2006年設立の3号ファンド(180億円)、2013年設立の4号ファンド(115億円)、2016年設立の5号ファンド(160億円)を経て今回の6号ファンド設立(400億円)となり、設立から23年で運用総額累計1000億円を超えます。累計投資先社数は150社超となり、メルカリ、ビープラッツ、すららネット、ユーザベースなど、多数の有力上場企業を輩出しています。


 ベンチャーキャピタルというオルタナティブアセットの性質上、機関投資家の皆さんは景気の好悪にかかわらず安定的なリターンを求めています。そうした中で、4号ファンドは115億円の規模でしたが、すでに4倍以上の評価額になっています。こうした実績を評価していただいて、6号ファンドでも多くの機関投資家の皆さんに参加していただいています。

 具体的に、一次募集段階のLP(Limited Partner:有限責任の出資者)を見ても、三井住友トラスト・グループの『ジャパンビンテージファンド2019投資事業有限責任組合』、日本政策投資銀行、中小企業基盤整備機構、東京海上アセットマネジメント、損害保険ジャパン日本興亜、三井住友銀行、横浜銀行のほか、企業年金基金や金融法人・大学基金等を含む国内外大手機関投資家に参加いただきました」


6号ファンドの特長

―― 6号ファンドの特長としては、どのような点が挙げられますか。

「ベンチャー企業側は、今まで以上に上場までに大規模かつ柔軟性の高い資金調達を行いたいというニーズがあります。米国発のユニコーン現象が注目されましたが、日本も同じような流れが出てきています。レイターステージのベンチャーは、今まではバリュエーションが100億円前後になってくるとマザーズ市場に上場するというケースが多かったのですが、短期的な業績プレッシャーにさらされることなく、更に成長投資をするためにさらに50億円調達したいとか100億円調達したいということが当たり前のようになってきて、“レイト”の定義がよりレイトになり、事業規模も大きくなって、それに伴って資金調達金額のニーズも大きくなってきているというのが現状です。

 そのレイト段階の資金調達でもしっかり我々がリードを取って、例えば100億円の資金調達でもシンジケーションできるようにしようというのが今回の400億円のファンド設定の特長です。逆に言うと、起業家が50億円、100億円の資金調達を行おうとする時にこれまでは非常に苦労していたのをしっかり助けてあげる、かつてはそうした資金調達のニーズがありながらぽっかり空白地帯ができていましたから、その空白地帯をしっかり埋めていきたいという狙いがあります。

 実際にはユニコーン企業を目指すベンチャーに対してリードを取れるVCの数はそう多くありません。VCのファンド規模から自ずと投資規模の限界は決まってきます。例えば…

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