スタートアップ創出元年 最終目的地である「大手事業会社の成長に貢献するオープンイノベーション/Corporate Venturing」に向かう前に一度立ち止まり、現在の位置を確認したいと思います。
岸田総理は2022年1月4日の年頭記者会見で、「戦後の創業期に次ぐ日本の第2創業期を実現するため、本年をスタートアップ創出元年として、『スタートアップ5か年計画』を設定して、スタートアップ創出に強力に取り組みます。伊勢神宮は、20年ごとに式年遷宮を繰り返すことで、新たな時代、世代へと歴史をつなぎ、時を刻んできました。我が国の資本主義も、未来に向けて、新たなプレーヤーを必要としています。そのために公的出資を含めたリスクマネー供給の強化、公共調達等の大胆な開放、海外展開への徹底的支援、株式公開制度の在り方の見直しなど総合的に取り組んでまいります」(
首相官邸WEBサイトより引用)と表明されました。
振り返ってみれば2012年12月26日第2次安倍政権発足後“アベノミクス”が推進され、第3の矢であった「成長戦略」の政策の柱のひとつが「産業の新陳代謝とベンチャーの加速」でした。私自身もほぼ同じようなタイミングで日本国内での
CVC をスタートさせたことから非常に印象に残っています。業界関係者の努力や政策面等での後押しもあり、この時期に日本のベンチャー業界が一定の成長を遂げたことは間違いないと思います。
今回の岸田総理の念頭記者会見ではwithコロナ/afterコロナの成長戦略のトップに「スタートアップ創出元年」が語られており、その重要度を垣間見ることができます。残念ながら直接ご本人と話をしたわけではありませんのであくまで私個人の独断による解釈ですが、
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■ 筆者履歴
秋元 信行(あきもと・のぶゆき)
代表取締役 General Partner
AT PARTNERS株式会社
・NTTドコモ ではシリコンバレーに駐在し米国研究所を立ち上げ、その後CVCを設立しCEOに就任
・DOCOMO Capital, Inc.のPresident & CEO、DOCOMO Innovations, Inc. Chairmanを歴任
・NTTでは海外投資案件に携わり、その後ドコモに転籍
・一貫してStartupとの協業によるOpen Innovation、Corporate Venturing活動に従事
・日本ベンチャーキャピタル協会 フェロー