[M&A用語]

スキーム・オブ・アレンジメント

英語 :Scheme of Arrangement

スキーム・オブ・アレンジメントとは、英国の会社法上の組織再編制度の一つ。株式交換、100%買収、会社分割、債務再編など組織再編に関する計画を、利害関係者の集会での決議と裁判所の認可を経て行う仕組みのこと。成立すれば個別同意を得ることなく、対象となる株主や債権者全員がその条件に拘束される。

日本企業のM&Aでは、現金、株式又はその組み合わせを対価として、英国籍の対象会社を100%子会社化する際の買収手続きとして多く活用されている。
具体的には、買収対象会社の同意の下、裁判所が招集する株主総会において株主の過半数かつ総議決権の75%以上の賛成があれば計画が承認され、その後に裁判所の認可を経ることで、100%子会社化が達成される。

100%子会社化の買収スキームには、公開買付けとスクイーズ・アウト(強制的に残りの株主から株式を取得すること)の2段階スキームによる場合もあるが、スキーム・オブ・アレンジメントの方が1回の手続きで済み、柔軟なスキームの設定やスクイーズ・アウトに求められる条件が低いこともあって利用されている。

スキーム・オブ・アレンジメントは、英国のみならず、アイルランド、オーストラリア、シンガポール、マレーシアなど英国法の影響を受けている国家・地域の中にも同様の制度が存在し、日本企業のクロスボーダー案件の際の買収手法として活用されている。

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更新日:2018年04月01日

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