[【クロスボーダーM&A】ベトナム投資の基礎知識 [ベトナムマーケット概要](ワールディング)]

(2014/04/23)

ベトナムの畜産業界

 谷口 正俊(株式会社ワールディング 代表取締役社長)
  • 無料会員
  • A,B,C,EXコース

国内消費量の伸びが顕著なベトナム畜産業界

 国内の堅調な経済成長を背景に、消費者の畜産物消費も伸び、ベトナムの畜産業が著しく発展している。畜産業は、これまで小規模農家を中心に営まれてきたが、一部では経営の大規模化が進みつつある。中でも、主要食肉産業である豚肉は、より一層の消費量の増加が見込まれる。ちなみに、国内の食肉全体における牛肉の割合は7%程度である(世界の食肉全体における牛肉の割合は23%)。また、飲用乳の消費は、市場開放後に飛躍的に拡大し、多くの現地スーパーではミルク販売のスペースが最も広い。2001年に定められた社会経済開発戦略の中では、畜産振興が重要な政策課題である。また政府は、食肉生産量について、2015年には431万トン、2020年には552万トンを目指すとしている。

 しかしながら現在、ベトナムの畜産業界が揺れている。ASEAN自由貿易協定(AFTA)、環太平洋パートナーシップ(TPP)への加盟によるものだ。AFTA加盟により、2015年までに豚肉、鶏肉、卵に対する保護政策を廃止しなければならず、タイやインドネシア、マレーシアから豚肉、鶏肉、卵が自由にベトナム市場に入るようになる。国内の畜産業界は規模、生産性、コスト、品質の面でASEAN諸国に比べて劣っている。他のASEAN諸国については、国産肉を使用せず、米国から輸入した安価な冷凍肉を使い、ソーセージなどに加工している企業が多いためである。



株式会社ワールディング

株式会社ワールディング
TEL:03-5361-6455

■筆者プロフィール
谷口正俊(たにぐち まさとし)
1973年イタリア・ローマ生まれ。
早稲田大学商学部卒業後、(株)ベネッセコーポレーション入社。
同社退社後、2000年7月「教育を通じてより良い世の中へ」と、教育関連企業(株)ウィル・シードを共同創業、代表取締役副社長就任。大手企業400社の人財育成支援及び、全国の小中学校に新しいタイプの体感型教育プログラムを提供。
同社副社長を退任後、2006年6月、(株)アクティブリッジの設立に参加。
7年に亘るベトナム事業展開の後、2013年3月、(株)ワールディングを設立。
日系企業のベトナム進出支援、ベトナム人材採用・育成事業を展開中。
日本とベトナムを往復する日々を送っている。


 



 

続きをご覧いただくにはログインして下さい

この記事は、無料会員も含め、全コースでお読みいただけます。

マールオンライン会員の方はログインして下さい。ご登録がまだの方は会員登録して下さい。

バックナンバー

おすすめ記事

アクセスランキング