[業界動向「M&Aでみる日本の産業新地図」]

2016年2月特大号 256号

(2016/01/19)

第132回 世界の半導体業界~大型M&Aが映す業界の地殻変動

 澤田 英之(レコフ リサーチ部長)
  • A,B,EXコース

1.はじめに

  欧米を中心に半導体を巡る大型のM&Aが相次いでいる(図表1)。

  これまで半導体については微細化の限界に伴う成長率の鈍化や、デジタル化及びモジュール化への移行に伴うファブレス(文末注1参照)とファウンドリ(文末注2参照)の台頭、また、韓国及び台湾企業の巨額な設備投資による急成長などが注目されてきた。

  最近では、半導体の主要な用途であったパソコン、スマートフォン、また、タブレットの成長が鈍化している。一方で、自動運転車の開発、クラウドの普及によるビッグデータ処理のニーズ拡大などとともに、IoT (文末注3参照)という概念が広まってきた。半導体業界における大型M&Aは、こうした地殻変動とも言えそうな事業環境の大きな変化を成長機会と捉えた動きのようである。

  本稿では図表1から主要なケースを選択し、世界の大手半導体メーカー各社がどのような方向に進もうとしているのかを概観してみた。しかしながら、一括りに半導体と言ってもその種類が多いため、まず次節ではその概要を説明している。また、文中のM&A金額や売上高は概算値である。

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