[業界動向「M&Aでみる日本の産業新地図」]

2017年11月号 277号

(2017/10/17)

第152回 自動車販売業界~成長性の高い輸入車を巡るM&Aに注目

 澤田 英之(レコフ 企画管理部 リサーチ担当)
  • A,B,EXコース

1.自動車販売業界~M&A概観

  自動車の普及が頭打ちになったと言われて久しい。

  試みに一般財団法人自動車検査登録情報協会が公表している国内乗用車保有台数の推移を確認した。これによると2000年3月末に5122万台であった台数は2017年3月末には6125万台になっていた。この間、成長が鈍化しているといった面はあるものの、リーマン・ショックや東日本大震災直後も含めて増加している。

(図表1)乗用車保有台数   図表1は保有台数の内訳であり増加をけん引したのは軽自動車だ。軽自動車は、車検料、自動車保険料、税金といった維持費が安いことや価格が手頃なこと、また、駐車スペースの確保、運転のし易さといった長所をもっており、これらが軽自動車人気継続の要因と考えられる。

  また、2000CC超の排気量の普通車も増加している。一方で排気量660CC超2000CC以下の小型車は大きく減少した。筆者の周囲をみても排気量の大きい輸入車やレジャー用の人気は根強いものがあるように思われる。特に輸入車については価格を抑えた欧州車の販売が好調で、2016年、新車販売の状況を示す新車登録台数(軽自動車を除く)においてシェアが過去最高の9%になったと伝えられた(日本自動車輸入組合、日本自動車販売協会連合会調べ)。

  こうしてみると、冒頭の「自動車普及の頭打ち」は車種によっては必ずしも当てはまらないように見受けられる。

  ここで自動車販売を業とする自動車販売業界に目を向けると、同業界は完成車メーカーが株式の大半または一部を保有するメーカー系といわゆる独立系に大別される(図表2)。

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