[【企業変革】ポストコロナ時代の経営アジェンダ ~ ゲームのルールが変わる瞬間 ~(デロイト トーマツ コンサルティング合同会社)]

(2020/12/24)

【第7回(最終回)】M&A/事業再編をてこに真のグローバルカンパニーへ

汐谷 俊彦(デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 執行役員)
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それでもグローバル化は止まらない

 今年はほぼ記憶に残らない1年だったと感じています。コロナ禍という100年に一度の厄災に見舞われたことは記憶に残っても、海外出張もなくなり、新しく対面で人と会うことも減り、心に残るような見聞が相当減った印象です。もちろん、さまざまなメディアや書籍から情報を得たことは多いものの、記憶に残るようなものには人から直接見聞したものがいかに多いかということを感じます。

 グローバル化を「政治・経済・社会・文化の結びつきが国境を越え深まっていくこと」と理解するならば、自国第一主義という流れによってこれまでいわれてきたグローバル化が停滞する、ないしは逆戻りするという意見もあります。「サプライチェーンが寸断される」「データの移動に制約を受ける」などの国ごとの法制度への対応が企業に求められる中、実感としてそう思っている方も多いかもしれません。 しかしながら、「新しいものを見たい・知りたい」という好奇心や、さらにベーシックなところで「もっと豊かになりたい」という、人の本能に根差した欲求に鑑みれば、人・モノ・金・情報の流れが国境をまたぐグローバル化は、変わらないメガトレンドと思います。

 振り返ってみるとコロナ禍の影響と言われることも、従前にメガトレンドといわれていた、中国の大国化、脱炭素化、社会・環境価値(が経済価値に対して)の相対的向上、テクノロジーの進化などが単に加速しただけではないかというのがコロナ禍から約1年経った今改めて感じる学びです。

 これらのことを踏まえ、企業として、グローバルで競争する意思があるのであれば、その競争に勝つための戦略と構えを早急に備え、グローバルに経営資源の配置を最適化していくことのできる企業になる必要があるのは明らかではないでしょうか?

EPRGプロファイル

 グローバル化の流れの中で、競争優位を築くためにどんなグローバル化をすればよいのか?グローバルで戦うためにどのようなモデルがよいのか?という論点に対し、やや古いモデルですが、パールミュッターが定義した多国籍企業の国際戦略モデルとしてEPRGプロファイルというコンセプトを紹介します。...

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社

■筆者略歴

汐谷 俊彦(しおたに・としひこ)
外資系コンサルティング会社等を経て現職。製造業/テクノロジー/エネルギー/化学/ヘルスケア/商社など幅広い業界に対して成長戦略策定、事業ポートフォリオ見直しといった戦略面での支援や、M&A戦略策定に始まり、デューデリジェンス、PMI計画策定および実行支援・買収後のオペレーション改善といったM&Aライフサイクル全領域において幅広い経験を持つ。特にクロスボーダーM&Aやカーブアウト買収といった複雑で難易度の高い案件を数多く手掛けている。また、日系企業による海外企業の買収を契機に、その後のグローバル化に向けたトランスフォーメーション支援や、買収後の海外企業のターンアラウンド、ガバナンス改革などの案件も支援している。東京大学工学部卒。

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