[【クロスボーダーM&A】ベトナム投資の基礎知識 [ベトナムマーケット概要](ワールディング)]

(2021/08/18)

ベトナムの介護業界

谷口 正俊(株式会社ワールディング 代表取締役社長)
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ベトナムでは、日本をはるかに上回る速度で高齢化が進行している。ベトナムの人口は2020年時点で約9,762万人と、東南アジアの中では第3位の人口で現在も増加しているものの、30年頃には鈍化傾向に入り、50年には頭打ちになって、その時点での65歳以上年齢は20%を超え、超高齢社会(65歳以上人口の割合が21%以上)の間際になると予想されている(ベトナムは17年に65歳以上人口が7%以上の高齢化社会に突入している)。日本は1970年に高齢化社会、94年に高齢社会(65歳以上人口14%以上)に到達するまで24年を要したが、ベトナムは高齢化社会から高齢社会まで17年ほどで到達する見込みである。

 人口を維持するために必要な一人の女性が生涯に産む子どもの数 (合計特殊出生率)が 2.1 人と言われているのに対し、ベトナムは1.95人と低く、都市部はさらにこれを下回ると言われている。

 ベトナムでは2004 年に設立された国家高齢化委員会 (Vietnam National Committee on Aging、以下、「VNCA」) が高齢化対策の統括を行っている。高齢化の進展に伴い、09年に、ベトナム政府は高齢者に関する法律(以下、「高齢者法」)を制定した。高齢者法は高齢化対策を包括的に規定した法律で、高齢者の権利と義務、高齢者の世話に関する家族や国 ・ 社会の責務、高齢者の社会参加およびベトナム高齢者協会 (Vietnam Association of the Elderly、以下、「VAE」) の役割などに関して規定している。…


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TEL:03-5361-6455

■筆者プロフィール
谷口正俊(たにぐち まさとし)
1973年イタリア・ローマ生まれ。
早稲田大学商学部卒業後、(株)ベネッセコーポレーション入社。
同社退社後、2000年7月「教育を通じてより良い世の中へ」と、教育関連企業(株)ウィル・シードを共同創業、代表取締役副社長就任。大手企業400社の人財育成支援及び、全国の小中学校に新しいタイプの体感型教育プログラムを提供。
同社副社長を退任後、2006年6月、(株)アクティブリッジの設立に参加。
7年に亘るベトナム事業展開の後、2013年3月、(株)ワールディングを設立。
日系企業のベトナム進出支援、ベトナム人材採用・育成事業を展開中。
日本とベトナムを往復する日々を送っている。

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